0 / 31 の解答欄に回答済み (0%)
本問は、蒸気原動所の理論サイクル(ランキンサイクル)に関する知識と、P-v線図の解釈、蒸気表(飽和蒸気表、圧縮水及び過熱蒸気表)を用いた状態量の読み取り、および熱力学的計算能力を問う問題です。
図のP-v線図と各装置の機能を照らし合わせ、適切な語句を埋めていきます。
与えられた表1(飽和蒸気表)および表2(圧縮水及び過熱蒸気表)の数値と、熱力学の基本公式を用いて計算します。
ランキンサイクルにおいて、タービン(装置C)での膨張過程は、理論上は等エントロピー膨張と仮定されます。したがって、状態点3と状態点4の比エントロピーは等しい($s_3 = s_4$)とします。
適用すべき公式:
$s_4 = s_4' + x_4(s_4'' - s_4')$
ここで、$x_4$ は乾き度、$s_4'$ は状態4における飽和液の比エントロピー、$s_4''$ は状態4における乾き飽和蒸気の比エントロピーです。
計算過程:
したがって、【A】に入る数値は 7.74 です。
状態点4の比エンタルピー $h_4$ は、乾き度 $x_4$ を用いて計算します。
適用すべき公式:
$h_4 = h_4' + x_4(h_4'' - h_4')$
ここで、$h_4'$ は状態4における飽和液の比エンタルピー、$h_4''$ は状態4における乾き飽和蒸気の比エンタルピーです。
計算過程:
上記の計算により、状態点4の比エンタルピー $h_4 = 2043 \text{ kJ/kg}$ が得られます。この値は、与えられた正解の 2.04E+03 (2040) とは僅かに異なります。この差異は、蒸気表の数値の丸め方や、問題で想定されている計算過程の特定の有効数字の取り方など、複数の要因が考えられます。
この理論サイクルの熱効率 $\eta_{th}$ は、正味仕事量 $W_{net}$ をボイラへの熱供給量 $Q_B$ で割ることで求められます。
適用すべき公式:
$\eta_{th} = W_{net} / Q_B = (W_T - W_P) / Q_B$
ここで、$W_P$ はポンプ仕事量、$Q_B$ はボイラ熱供給量、$W_T$ はタービン仕事量です。
各仕事量・熱量は比エンタルピーの変化として計算されます。
$W_P = h_2 - h_1$
$Q_B = h_3 - h_2$
$W_T = h_3 - h_4$
計算過程:
したがって、【C】に入る数値は 3.7 です。
与えられたP-v線図と小問1の記述から、蒸気原動所の理論サイクル(ランキンサイクル)を構成する各装置の役割を特定し、その名称を導き出します。
この設問は、蒸気原動所のランキンサイクルにおける各状態点の状態量を求め、それを用いて理論熱効率を計算するものです。P-v線図と熱物性表(表1、表2)を基に計算を進めます。
P-v線図より、状態点3から状態点4への変化はタービンにおける断熱膨張過程であり、理想的には等エントロピー膨張とみなされます。したがって、状態点4の比エントロピーは状態点3の比エントロピーと等しくなります。
適用公式:
湿り蒸気領域における比エントロピー $s$ と乾き度 $x$ の関係式は以下の通りです。
$s = s' + x(s'' - s')$
ここで、$s'$ は飽和液の比エントロピー、$s''$ は乾き飽和蒸気の比エントロピーです。
状態量の読み取り:
まず、状態点3の比エントロピー $s_3$ を表2から読み取ります。圧力 $P_3 = 7.000$ MPa、温度 $T_3 = 400$ ℃の過熱蒸気の状態点です。
$s_3 = 6.453 \ 6 \ [\text{kJ}/(\text{kg}\cdot\text{K})]$
次に、状態点4の圧力 $P_4 = 0.010$ MPa における飽和液の比エントロピー $s'_{0.010}$ と乾き飽和蒸気の比エントロピー $s''_{0.010}$ を表1から読み取ります。
$s'_{0.010} = 0.649 \ 3 \ [\text{kJ}/(\text{kg}\cdot\text{K})]$
$s''_{0.010} = 8.151 \ 1 \ [\text{kJ}/(\text{kg}\cdot\text{K})]$
計算過程:
等エントロピー膨張なので、$s_4 = s_3$ です。
$s_4 = 6.453 \ 6 \ [\text{kJ}/(\text{kg}\cdot\text{K})]$
この値を乾き度の関係式に代入して、$x_4$ を求めます。
$6.453 \ 6 = 0.649 \ 3 + x_4 (8.151 \ 1 - 0.649 \ 3)$
$6.453 \ 6 = 0.649 \ 3 + x_4 (7.501 \ 8)$
$x_4 = \frac{6.453 \ 6 - 0.649 \ 3}{7.501 \ 8}$
$x_4 = \frac{5.804 \ 3}{7.501 \ 8}$
$x_4 \approx 0.773 \ 720 \dots$
解答は「【A】×$10^{-1}$」の形式で求められており、通常は小数点以下3桁程度で示されます。最小位の一つ下の位で四捨五入するため、小数点以下4桁目を四捨五入します。
$x_4 \approx 0.774$
これを指定の形式にすると、
$x_4 = 7.74 \times 10^{-1}$
解答:
したがって、【A】 = 7.74
適用公式:
湿り蒸気領域における比エンタルピー $h$ と乾き度 $x$ の関係式は以下の通りです。
$h = h' + x(h'' - h')$
ここで、$h'$ は飽和液の比エンタルピー、$h''$ は乾き飽和蒸気の比エンタルピーです。
状態量の読み取り:
状態点4の圧力 $P_4 = 0.010$ MPa における飽和液の比エンタルピー $h'_{0.010}$ と乾き飽和蒸気の比エンタルピー $h''_{0.010}$ を表1から読み取ります。
$h'_{0.010} = 191.8 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$
$h''_{0.010} = 2584.8 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$
乾き度 $x_4$ は上記の計算結果 $0.773 \ 72$ を用います。
計算過程:
これらの値を関係式に代入して、$h_4$ を求めます。
$h_4 = 191.8 + 0.773 \ 72 \times (2584.8 - 191.8)$
$h_4 = 191.8 + 0.773 \ 72 \times 2393.0$
$h_4 = 191.8 + 1851.362 \ 56$
$h_4 \approx 2043.162 \ 56 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$
解答は「【B】 \times 10^{【b】}[kJ/kg]」の形式で示されており、【B】= 2.04E+03 が与えられています。これは $2.04 \times 10^3 = 2040$ kJ/kg を意味します。計算結果をこの形式に合わせるため、有効数字3桁で四捨五入します。
$h_4 \approx 2040 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$
これを指定の形式にすると、$h_4 = 2.04 \times 10^3 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$ となります。
解答:
したがって、【B】 = 2.04E+03
適用公式:
ランキンサイクルの理論熱効率 $\eta_S$ は、サイクル全体の正味仕事量を投入熱量で割ることで求められます。
$\eta_S = \frac{\text{タービン仕事量} - \text{ポンプ仕事量}}{\text{ボイラ加熱量}}$
エンタルピーを用いて表すと以下の通りです。
$\eta_S = \frac{(h_3 - h_4) - (h_2 - h_1)}{(h_3 - h_2)}$
各状態点の比エンタルピー:
これまでに求めた、または表から読み取った各状態点の比エンタルピーをまとめます。
計算過程:
各仕事量と加熱量を計算します。
これらの値を熱効率の式に代入します。
$\eta_S = \frac{1118.037 \ 44 - 29.3}{2940.1}$
$\eta_S = \frac{1088.737 \ 44}{2940.1}$
$\eta_S \approx 0.370 \ 302 \dots$
解答は「【C】×$10^{-1}$」の形式で求められており、通常は小数点以下2桁程度で示されます。最小位の一つ下の位で四捨五入するため、小数点以下4桁目を四捨五入します。
$\eta_S \approx 0.37$
これを指定の形式にすると、
$\eta_S = 3.7 \times 10^{-1}$
解答:
したがって、【C】 = 3.7
この設問は、蒸気原動所(蒸気タービンサイクル、すなわちランキンサイクル)とガスタービンを組み合わせた複合サイクルに関する知識を問うものです。
ガスタービンと蒸気原動所(蒸気タービン)を併用し、熱効率の向上を目指すサイクルは、一般的にコンバインドサイクルと呼ばれます。これは、ガスタービンからの高温排熱を蒸気タービンの熱源として再利用することで、単独のサイクルでは得られない高い熱効率を達成するシステムです。
ガスタービンからの排熱を蒸気原動所の熱として利用するために用いられる装置は、排熱回収ボイラです。ガスタービンからの高温排ガスによって水を加熱・蒸発させ、その蒸気を蒸気タービンに供給します。
コンバインドサイクルの熱効率$\eta_C$を求める式について解説します。
適用すべき公式:
熱効率は一般に、「(取り出した有効仕事)/(投入した熱量)」で定義されます。
コンバインドサイクルでは、ガスタービンと蒸気原動所(蒸気タービン)が連携して仕事を行います。全体の投入熱はガスタービンへの熱供給のみです。
ガスタービンへの投入熱量を $Q_G$、ガスタービンが発生する仕事量を $W_G$ とすると、
$\eta_G = \frac{W_G}{Q_G}$
これから、ガスタービンがする仕事は $W_G = \eta_G Q_G$ となります。
ガスタービンに投入された熱のうち、仕事として取り出されなかった部分が排熱となります。
$Q_{G,out} = Q_G - W_G = Q_G - \eta_G Q_G = (1 - \eta_G) Q_G$
このガスタービンからの排熱 $Q_{G,out}$ のうち、$\eta_R$ の割合が蒸気原動所の熱として利用されます。排熱回収ボイラによってこの熱が蒸気原動所に供給されます。
$Q_S = \eta_R Q_{G,out} = \eta_R (1 - \eta_G) Q_G$
蒸気原動所への投入熱量を $Q_S$、蒸気原動所が発生する仕事量を $W_S$ とすると、
$\eta_S = \frac{W_S}{Q_S}$
これから、蒸気原動所がする仕事は $W_S = \eta_S Q_S$ となります。 上記3)の $Q_S$ を代入すると、
$W_S = \eta_S \eta_R (1 - \eta_G) Q_G$
コンバインドサイクル全体の熱効率は、全体の仕事量(ガスタービンの仕事と蒸気原動所の仕事の合計)を、全体の投入熱量(ガスタービンへの投入熱量)で割ることで求められます。
$\eta_C = \frac{W_G + W_S}{Q_G}$
上記1)と4)の結果を代入します。
$\eta_C = \frac{\eta_G Q_G + \eta_S \eta_R (1 - \eta_G) Q_G}{Q_G}$
分子・分母を $Q_G$ で割ると、
$\eta_C = \eta_G + \eta_S \eta_R (1 - \eta_G)$
この式がコンバインドサイクルの熱効率を示します。一般的には、蒸気原動所の熱効率$\eta_S$と排熱利用割合$\eta_R$の積をまとめて「蒸気タービン系からの熱回収効率」と捉えることもできます。