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出典:令和05年度 エネルギー管理士 第5問

問題 5

令和05年 - エネルギー管理士

答え合わせ 回答リセット

回答進捗状況

0 / 31 の解答欄に回答済み (0%)

図1
図1
図2
図2
小問 1
問題 r05_5_1
次の各文章の【1】~【15】の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。なお、【4】及び【13】は複数箇所あるが、それぞれ同じ記号が入る。 また、【A a.bc】~【C a.b】に当てはまる数値を計算し、その結果を答えよ。ただし、解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入すること。(配点計50点) 図に、ある蒸気原動所の理論サイクルのP-v線図を示す。ここで、Pは圧力、vは比体積である。C.P.は臨界点を示しており、臨界点より左側の一点鎖線は飽和液線を、右側の一点鎖線は飽和蒸気線を示している。図中の状態点1~4は作動流体の状態点を示し、状態点3の温度は400℃である。 また、各状態点の比エンタルピーh、比エントロピーsなどの状態量を示す記号にはその状態点の番号を添字として用いる。 なお、計算には表1及び表2の数値を用いることとし、表中の符号'は飽和水の状態、''は乾き飽和蒸気の状態を表す。 **図 P-v線図** 1) 図中、状態点1は飽和水である。その飽和水は、装置Aでされ、状態点2のとなる。状態点2の作動流体には装置Bで熱が供給され、状態点3のになる。この間、状態点$2_a$と$2_b$の間の作動流体はと呼ばれている。状態点3の作動流体は装置Cでされ、状態点4のとなる。その後、装置Dにおいて、過程で熱を外部に放出し、状態点1に戻る。
小問1の選択肢を表示
解答欄
解答欄 1 未回答
解答欄 2 未回答
解答欄 3 未回答
解答欄 4 未回答
解答欄 5 未回答
解答欄 6 未回答
解説

小問1 解説

本問は、蒸気原動所の理論サイクル(ランキンサイクル)に関する知識と、P-v線図の解釈、蒸気表(飽和蒸気表、圧縮水及び過熱蒸気表)を用いた状態量の読み取り、および熱力学的計算能力を問う問題です。

1. 空欄補充問題の解説

図のP-v線図と各装置の機能を照らし合わせ、適切な語句を埋めていきます。

  • 状態点1から装置Aへ: 状態点1はP=0.010 MPaの飽和水です。装置Aで圧力がP=7.000 MPaまで上昇しています。この過程はポンプによるもので、作動流体は「圧縮」されます。したがって、【1】はク. 圧縮です。
  • 装置Aの出口、状態点2: 装置Aで圧縮された水は、その圧力が上昇しているため「圧縮水」となります。したがって、【2】はア. 圧縮水です。
  • 状態点2から装置Bへ: 状態点2の作動流体には装置Bで熱が供給され、温度400℃、圧力7.000 MPaの状態点3に至ります。表2を見ると、P=7.000 MPa、T=400℃の状態は「過熱蒸気」です。したがって、【3】はイ. 過熱蒸気です。
  • 状態点$2_a$と$2_b$の間: P-v線図において、飽和液線と飽和蒸気線の間の領域は、液相と気相が共存する「湿り蒸気」領域です。したがって、【4】はエ. 湿り蒸気です。
  • 状態点3から装置Cへ: 状態点3の過熱蒸気は装置Cで圧力が0.010 MPaまで降下しています。これはタービンによる仕事を取り出すための「膨張」過程です。したがって、【5】はケ. 膨張です。
  • 装置Dの過程: 状態点4から装置Dで熱を外部に放出し、状態点1に戻っています。P-v線図を見ると、このD-1間の過程は圧力が0.010 MPaで一定であり、「等圧」過程です。したがって、【6】はシ. 等圧です。

2. 数値計算問題の解説(【A】~【C】)

与えられた表1(飽和蒸気表)および表2(圧縮水及び過熱蒸気表)の数値と、熱力学の基本公式を用いて計算します。

【A】の計算:状態点4の乾き度 $x_4$ を10倍した値

ランキンサイクルにおいて、タービン(装置C)での膨張過程は、理論上は等エントロピー膨張と仮定されます。したがって、状態点3と状態点4の比エントロピーは等しい($s_3 = s_4$)とします。

適用すべき公式:

$s_4 = s_4' + x_4(s_4'' - s_4')$

ここで、$x_4$ は乾き度、$s_4'$ は状態4における飽和液の比エントロピー、$s_4''$ は状態4における乾き飽和蒸気の比エントロピーです。

計算過程:

  1. 状態点3の比エントロピー $s_3$ を特定します。
    表2より、圧力 $P_3 = 7.000 \text{ MPa}$、温度 $T_3 = 400 \text{ ℃}$ のとき、
    $s_3 = 6.4536 \text{ kJ/(kg·K)}$
  2. 状態点4の飽和液および乾き飽和蒸気の比エントロピーを特定します。
    状態点4は圧力 $P_4 = 0.010 \text{ MPa}$ の湿り蒸気領域にあります。表1より、
    飽和液の比エントロピー $s_4' = 0.6493 \text{ kJ/(kg·K)}$
    乾き飽和蒸気の比エントロピー $s_4'' = 8.1511 \text{ kJ/(kg·K)}$
  3. 乾き度 $x_4$ を計算します。
    $s_3 = s_4$ なので、上記の公式に値を代入します。
    $6.4536 \text{ kJ/(kg·K)} = 0.6493 \text{ kJ/(kg·K)} + x_4(8.1511 \text{ kJ/(kg·K)} - 0.6493 \text{ kJ/(kg·K)})$
    $6.4536 = 0.6493 + x_4 \times 7.5018$
    $x_4 = (6.4536 - 0.6493) / 7.5018 = 5.8043 / 7.5018 \approx 0.773715$
  4. 【A】の値を計算し、指示に従って四捨五入します。
    問題の形式【A a.bc】と与えられた正解値7.74から、【A】は乾き度 $x_4$ を10倍した値であると推測されます。
    $10 \times x_4 = 10 \times 0.773715... = 7.73715...$
    「解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入すること。」
    【A a.bc】の最小位は小数点以下第2位 (c) です。したがって、小数点以下第3位の桁で四捨五入します。
    $7.7\underline{3}715... \rightarrow 7.74$ (小数点以下第3位の「7」を四捨五入して切り上げ)

したがって、【A】に入る数値は 7.74 です。

【B】の計算:状態点4の比エンタルピー $h_4$

状態点4の比エンタルピー $h_4$ は、乾き度 $x_4$ を用いて計算します。

適用すべき公式:

$h_4 = h_4' + x_4(h_4'' - h_4')$

ここで、$h_4'$ は状態4における飽和液の比エンタルピー、$h_4''$ は状態4における乾き飽和蒸気の比エンタルピーです。

計算過程:

  1. 状態点4の飽和液および乾き飽和蒸気の比エンタルピーを特定します。
    表1より、圧力 $P_4 = 0.010 \text{ MPa}$ のとき、
    飽和液の比エンタルピー $h_4' = 191.8 \text{ kJ/kg}$
    乾き飽和蒸気の比エンタルピー $h_4'' = 2584.8 \text{ kJ/kg}$
  2. 乾き度 $x_4$ を用いて $h_4$ を計算します。
    先ほど【A】の計算で求めた $x_4 = 0.773715...$ を使用します。
    $h_4 = 191.8 \text{ kJ/kg} + 0.773715 \times (2584.8 - 191.8) \text{ kJ/kg}$
    $h_4 = 191.8 \text{ kJ/kg} + 0.773715 \times 2393.0 \text{ kJ/kg}$
    $h_4 = 191.8 \text{ kJ/kg} + 1851.465 \text{ kJ/kg}$
    $h_4 = 2043.265 \text{ kJ/kg}$
  3. 【B】の値を解答の指示に従って四捨五入します。
    「解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入すること。」
    【B】の正解は「2.04E+03」であり、これは整数値の2040を意味します。計算結果 $2043.265 \text{ kJ/kg}$ の最小位は1の位です。したがって、小数点以下第1位の桁で四捨五入します。
    $2043.\underline{2}65 \text{ kJ/kg} \rightarrow 2043 \text{ kJ/kg}$ (小数点以下第1位の「2」を四捨五入して切り捨て)

上記の計算により、状態点4の比エンタルピー $h_4 = 2043 \text{ kJ/kg}$ が得られます。この値は、与えられた正解の 2.04E+03 (2040) とは僅かに異なります。この差異は、蒸気表の数値の丸め方や、問題で想定されている計算過程の特定の有効数字の取り方など、複数の要因が考えられます。

【C】の計算:理論熱効率 $\eta_{th}$ を10倍した値

この理論サイクルの熱効率 $\eta_{th}$ は、正味仕事量 $W_{net}$ をボイラへの熱供給量 $Q_B$ で割ることで求められます。

適用すべき公式:

$\eta_{th} = W_{net} / Q_B = (W_T - W_P) / Q_B$

ここで、$W_P$ はポンプ仕事量、$Q_B$ はボイラ熱供給量、$W_T$ はタービン仕事量です。

各仕事量・熱量は比エンタルピーの変化として計算されます。

$W_P = h_2 - h_1$
$Q_B = h_3 - h_2$
$W_T = h_3 - h_4$

計算過程:

  1. 各状態点の比エンタルピーを特定します。
    $h_1 = 191.8 \text{ kJ/kg}$ (表1, P=0.010 MPaの飽和液)
    $h_2 = 221.1 \text{ kJ/kg}$ (表2, P=7.000 MPa, T=51.4℃の圧縮水)
    $h_3 = 3161.2 \text{ kJ/kg}$ (表2, P=7.000 MPa, T=400℃の過熱蒸気)
    $h_4 = 2043.265 \text{ kJ/kg}$ (上記【B】の計算結果)
  2. ポンプ仕事量 $W_P$ を計算します。
    $W_P = h_2 - h_1 = 221.1 \text{ kJ/kg} - 191.8 \text{ kJ/kg} = 29.3 \text{ kJ/kg}$
  3. ボイラ熱供給量 $Q_B$ を計算します。
    $Q_B = h_3 - h_2 = 3161.2 \text{ kJ/kg} - 221.1 \text{ kJ/kg} = 2940.1 \text{ kJ/kg}$
  4. タービン仕事量 $W_T$ を計算します。
    $W_T = h_3 - h_4 = 3161.2 \text{ kJ/kg} - 2043.265 \text{ kJ/kg} = 1117.935 \text{ kJ/kg}$
  5. 正味仕事量 $W_{net}$ を計算します。
    $W_{net} = W_T - W_P = 1117.935 \text{ kJ/kg} - 29.3 \text{ kJ/kg} = 1088.635 \text{ kJ/kg}$
  6. 熱効率 $\eta_{th}$ を計算します。
    $\eta_{th} = W_{net} / Q_B = 1088.635 \text{ kJ/kg} / 2940.1 \text{ kJ/kg} \approx 0.370278$
  7. 【C】の値を計算し、指示に従って四捨五入します。
    問題の形式【C a.b】と与えられた正解値3.7から、【C】は熱効率 $\eta_{th}$ を10倍した値であると推測されます。
    $10 \times \eta_{th} = 10 \times 0.370278... = 3.70278...$
    「解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入すること。」
    【C a.b】の最小位は小数点以下第1位 (b) です。したがって、小数点以下第2位の桁で四捨五入します。
    $3.7\underline{0}278... \rightarrow 3.7$ (小数点以下第2位の「0」を四捨五入して切り捨て)

したがって、【C】に入る数値は 3.7 です。

小問 2
問題 r05_5_2
2) 1)で説明した蒸気原動所のサイクルにおいて、装置Aは、装置Bは、装置Cは、装置Dはである。
小問2の選択肢を表示
解答欄
解答欄 1 未回答
解答欄 2 未回答
解答欄 3 未回答
解答欄 4 未回答
解説

2) 1)で説明した蒸気原動所のサイクルにおいて、装置Aは【7】、装置Bは【8】、装置Cは【9】、装置Dは【10】である。

与えられたP-v線図と小問1の記述から、蒸気原動所の理論サイクル(ランキンサイクル)を構成する各装置の役割を特定し、その名称を導き出します。

装置Aの特定

  • プロセスの分析: 状態点1から状態点2への変化を見てみましょう。P-v線図では、圧力が0.010 MPaから7.000 MPaへと大幅に上昇しています。一方、比体積vは0.001 010 m³/kgでほぼ一定(飽和液線に沿ってわずかに増加)です。これは液体(飽和水)を圧縮して昇圧するプロセスを示しています。
  • 小問1の記述との照合: 「状態点1は飽和水である。その飽和水は、装置Aでクされ、状態点2のアとなる。」とあります。ここで「ク」は「圧縮」を意味すると考えられます。液体を圧縮・昇圧する装置はポンプです。
  • 結論: 装置Aは、飽和水を高圧の圧縮水へと昇圧する役割を担うポンプです。

装置Bの特定

  • プロセスの分析: 状態点2から状態点3への変化を見てみましょう。P-v線図では、圧力が7.000 MPaで一定に保たれながら、比体積vが大きく増加しています。小問1の記述にあるように、この間に熱が供給され、状態点3の温度は400℃(過熱蒸気状態)に達しています。これは定圧で熱を供給し、水を蒸気に変え、さらに過熱するプロセスを示しています。
  • 小問1の記述との照合: 「状態点2の作動流体には装置Bで熱が供給され、状態点3のイになる。」とあります。定圧で熱を供給し、水から蒸気を生成する装置はボイラ(蒸気発生器)です。
  • 結論: 装置Bは、高圧水を過熱蒸気へと定圧加熱する役割を担うボイラ(蒸気発生器)です。

装置Cの特定

  • プロセスの分析: 状態点3から状態点4への変化を見てみましょう。P-v線図では、圧力が7.000 MPaから0.010 MPaへと低下し、比体積vは増加しています。このプロセスでは、高温高圧の蒸気が膨張することで仕事を取り出します。小問1の記述から「装置Cでケされ」とあり、「ケ」は「膨張」を意味すると考えられます。
  • 小問1の記述との照合: 「状態点3の作動流体は装置Cでケされ、状態点4のエとなる。」とあります。高温高圧の蒸気を膨張させて機械的仕事を取り出す装置はタービンです。
  • 結論: 装置Cは、過熱蒸気を膨張させて仕事を取り出す役割を担うタービンです。

装置Dの特定

  • プロセスの分析: 状態点4から状態点1への変化を見てみましょう。P-v線図では、圧力が0.010 MPaで一定に保たれながら、比体積vが減少しています。小問1の記述にあるように、このプロセスで熱を外部に放出し、状態点1(飽和水)に戻ります。これは定圧で熱を放出して蒸気を凝縮させるプロセスを示しています。
  • 小問1の記述との照合: 「装置Dにおいて、シ過程で熱を外部に放出し、状態点1に戻る。」とあります。ここで「シ」は「凝縮」を意味すると考えられます。定圧で蒸気を凝縮させて水に戻す装置は復水器です。
  • 結論: 装置Dは、低圧湿り蒸気を定圧冷却・凝縮させて飽和水に戻す役割を担う復水器です。
小問 3
問題 r05_5_3
3) 状態点1、2及び3の状態量は、状態点3の温度が400℃であること、及び図に示されている圧力、比体積を用いて表1、表2より直接に読み取ることができる。残る状態点4の状態量を求めるためには、その乾き度を知る必要がある。状態点4の乾き度$x_4$は、比エントロピーsと乾き度xの関係式を用いて求めることができ、×$10^{-1}$となる。したがって、状態点4の比エンタルピー$h_4$は、 × 10[kJ/kg]となる。このとき、蒸気原動所の理論熱効率$\eta_S$は、式$\eta_S$=を用いて求めることができ、×$10^{-1}$となる。
小問3の選択肢を表示
解答欄
解答欄 1 未回答
解答欄 5 未回答
解説

3) 状態点4の乾き度、比エンタルピー、及び理論熱効率の計算

この設問は、蒸気原動所のランキンサイクルにおける各状態点の状態量を求め、それを用いて理論熱効率を計算するものです。P-v線図と熱物性表(表1、表2)を基に計算を進めます。

1. 状態点4の乾き度 $x_4$ の計算

P-v線図より、状態点3から状態点4への変化はタービンにおける断熱膨張過程であり、理想的には等エントロピー膨張とみなされます。したがって、状態点4の比エントロピーは状態点3の比エントロピーと等しくなります。

  • 適用公式:

    湿り蒸気領域における比エントロピー $s$ と乾き度 $x$ の関係式は以下の通りです。

    $s = s' + x(s'' - s')$

    ここで、$s'$ は飽和液の比エントロピー、$s''$ は乾き飽和蒸気の比エントロピーです。

  • 状態量の読み取り:

    まず、状態点3の比エントロピー $s_3$ を表2から読み取ります。圧力 $P_3 = 7.000$ MPa、温度 $T_3 = 400$ ℃の過熱蒸気の状態点です。

    $s_3 = 6.453 \ 6 \ [\text{kJ}/(\text{kg}\cdot\text{K})]$

    次に、状態点4の圧力 $P_4 = 0.010$ MPa における飽和液の比エントロピー $s'_{0.010}$ と乾き飽和蒸気の比エントロピー $s''_{0.010}$ を表1から読み取ります。

    $s'_{0.010} = 0.649 \ 3 \ [\text{kJ}/(\text{kg}\cdot\text{K})]$

    $s''_{0.010} = 8.151 \ 1 \ [\text{kJ}/(\text{kg}\cdot\text{K})]$

  • 計算過程:

    等エントロピー膨張なので、$s_4 = s_3$ です。

    $s_4 = 6.453 \ 6 \ [\text{kJ}/(\text{kg}\cdot\text{K})]$

    この値を乾き度の関係式に代入して、$x_4$ を求めます。

    $6.453 \ 6 = 0.649 \ 3 + x_4 (8.151 \ 1 - 0.649 \ 3)$

    $6.453 \ 6 = 0.649 \ 3 + x_4 (7.501 \ 8)$

    $x_4 = \frac{6.453 \ 6 - 0.649 \ 3}{7.501 \ 8}$

    $x_4 = \frac{5.804 \ 3}{7.501 \ 8}$

    $x_4 \approx 0.773 \ 720 \dots$

    解答は「【A】×$10^{-1}$」の形式で求められており、通常は小数点以下3桁程度で示されます。最小位の一つ下の位で四捨五入するため、小数点以下4桁目を四捨五入します。

    $x_4 \approx 0.774$

    これを指定の形式にすると、

    $x_4 = 7.74 \times 10^{-1}$

  • 解答:

    したがって、【A】 = 7.74

2. 状態点4の比エンタルピー $h_4$ の計算

  • 適用公式:

    湿り蒸気領域における比エンタルピー $h$ と乾き度 $x$ の関係式は以下の通りです。

    $h = h' + x(h'' - h')$

    ここで、$h'$ は飽和液の比エンタルピー、$h''$ は乾き飽和蒸気の比エンタルピーです。

  • 状態量の読み取り:

    状態点4の圧力 $P_4 = 0.010$ MPa における飽和液の比エンタルピー $h'_{0.010}$ と乾き飽和蒸気の比エンタルピー $h''_{0.010}$ を表1から読み取ります。

    $h'_{0.010} = 191.8 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$

    $h''_{0.010} = 2584.8 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$

    乾き度 $x_4$ は上記の計算結果 $0.773 \ 72$ を用います。

  • 計算過程:

    これらの値を関係式に代入して、$h_4$ を求めます。

    $h_4 = 191.8 + 0.773 \ 72 \times (2584.8 - 191.8)$

    $h_4 = 191.8 + 0.773 \ 72 \times 2393.0$

    $h_4 = 191.8 + 1851.362 \ 56$

    $h_4 \approx 2043.162 \ 56 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$

    解答は「【B】 \times 10^{【b】}[kJ/kg]」の形式で示されており、【B】= 2.04E+03 が与えられています。これは $2.04 \times 10^3 = 2040$ kJ/kg を意味します。計算結果をこの形式に合わせるため、有効数字3桁で四捨五入します。

    $h_4 \approx 2040 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$

    これを指定の形式にすると、$h_4 = 2.04 \times 10^3 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$ となります。

  • 解答:

    したがって、【B】 = 2.04E+03

3. 蒸気原動所の理論熱効率 $\eta_S$ の計算

  • 適用公式:

    ランキンサイクルの理論熱効率 $\eta_S$ は、サイクル全体の正味仕事量を投入熱量で割ることで求められます。

    $\eta_S = \frac{\text{タービン仕事量} - \text{ポンプ仕事量}}{\text{ボイラ加熱量}}$

    エンタルピーを用いて表すと以下の通りです。

    $\eta_S = \frac{(h_3 - h_4) - (h_2 - h_1)}{(h_3 - h_2)}$

  • 各状態点の比エンタルピー:

    これまでに求めた、または表から読み取った各状態点の比エンタルピーをまとめます。

    • $h_1$: 状態点1(P=0.010 MPaの飽和液)を表1から読み取ります。
      $h_1 = h'_{0.010} = 191.8 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$
    • $h_2$: 状態点2(P=7.000 MPa、v=0.001 010 m$^3$/kg の圧縮液)を表2から読み取ります。
      $h_2 = 221.1 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$
    • $h_3$: 状態点3(P=7.000 MPa、T=400 ℃の過熱蒸気)を表2から読み取ります。
      $h_3 = 3161.2 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$
    • $h_4$: 状態点4(上記計算結果)は、$2043.162 \ 56 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$ を用います。(丸める前の値を使用)
  • 計算過程:

    各仕事量と加熱量を計算します。

    • タービン仕事量 $W_T = h_3 - h_4 = 3161.2 - 2043.162 \ 56 = 1118.037 \ 44 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$
    • ポンプ仕事量 $W_P = h_2 - h_1 = 221.1 - 191.8 = 29.3 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$
    • ボイラ加熱量 $Q_H = h_3 - h_2 = 3161.2 - 221.1 = 2940.1 \ [\text{kJ}/\text{kg}]$

    これらの値を熱効率の式に代入します。

    $\eta_S = \frac{1118.037 \ 44 - 29.3}{2940.1}$

    $\eta_S = \frac{1088.737 \ 44}{2940.1}$

    $\eta_S \approx 0.370 \ 302 \dots$

    解答は「【C】×$10^{-1}$」の形式で求められており、通常は小数点以下2桁程度で示されます。最小位の一つ下の位で四捨五入するため、小数点以下4桁目を四捨五入します。

    $\eta_S \approx 0.37$

    これを指定の形式にすると、

    $\eta_S = 3.7 \times 10^{-1}$

  • 解答:

    したがって、【C】 = 3.7

小問 4
問題 r05_5_4
4) 蒸気原動所は、近年、ガスタービンと併用して熱効率の向上を目指すサイクルに使用されている。このサイクルでは、ガスタービンからの排熱を、を用いて蒸気原動所の熱として利用する。その際、ガスタービンからの排熱のうち、蒸気原動所の熱として利用される割合を$\eta_R$とする。そして、サイクルの熱効率$\eta_C$は、蒸気原動所の熱効率を$\eta_S$、ガスタービンの熱効率を$\eta_G$とすると、式$\eta_C$=となる。現在、$\eta_C$は最高では60%を超えるレベルに達している。
小問4の選択肢を表示
解答欄
解答欄 1 未回答
解答欄 2 未回答
解答欄 3 未回答
解説

4) 蒸気原動所における複合サイクルに関する解説

この設問は、蒸気原動所(蒸気タービンサイクル、すなわちランキンサイクル)とガスタービンを組み合わせた複合サイクルに関する知識を問うものです。

【13】に当てはまる語句

ガスタービンと蒸気原動所(蒸気タービン)を併用し、熱効率の向上を目指すサイクルは、一般的にコンバインドサイクルと呼ばれます。これは、ガスタービンからの高温排熱を蒸気タービンの熱源として再利用することで、単独のサイクルでは得られない高い熱効率を達成するシステムです。

  • 【13】の正解:コンバインド

【14】に当てはまる語句

ガスタービンからの排熱を蒸気原動所の熱として利用するために用いられる装置は、排熱回収ボイラです。ガスタービンからの高温排ガスによって水を加熱・蒸発させ、その蒸気を蒸気タービンに供給します。

  • 【14】の正解:排熱回収ボイラ

【15】に当てはまる式

コンバインドサイクルの熱効率$\eta_C$を求める式について解説します。

適用すべき公式:

熱効率は一般に、「(取り出した有効仕事)/(投入した熱量)」で定義されます。

コンバインドサイクルでは、ガスタービンと蒸気原動所(蒸気タービン)が連携して仕事を行います。全体の投入熱はガスタービンへの熱供給のみです。

  1. ガスタービンの熱効率 ($\eta_G$) の定義:
  2. ガスタービンへの投入熱量を $Q_G$、ガスタービンが発生する仕事量を $W_G$ とすると、

    $\eta_G = \frac{W_G}{Q_G}$

    これから、ガスタービンがする仕事は $W_G = \eta_G Q_G$ となります。

  3. ガスタービンからの排熱 ($Q_{G,out}$):
  4. ガスタービンに投入された熱のうち、仕事として取り出されなかった部分が排熱となります。

    $Q_{G,out} = Q_G - W_G = Q_G - \eta_G Q_G = (1 - \eta_G) Q_G$

  5. 蒸気原動所への投入熱量 ($Q_S$):
  6. このガスタービンからの排熱 $Q_{G,out}$ のうち、$\eta_R$ の割合が蒸気原動所の熱として利用されます。排熱回収ボイラによってこの熱が蒸気原動所に供給されます。

    $Q_S = \eta_R Q_{G,out} = \eta_R (1 - \eta_G) Q_G$

  7. 蒸気原動所の熱効率 ($\eta_S$) の定義:
  8. 蒸気原動所への投入熱量を $Q_S$、蒸気原動所が発生する仕事量を $W_S$ とすると、

    $\eta_S = \frac{W_S}{Q_S}$

    これから、蒸気原動所がする仕事は $W_S = \eta_S Q_S$ となります。 上記3)の $Q_S$ を代入すると、

    $W_S = \eta_S \eta_R (1 - \eta_G) Q_G$

  9. コンバインドサイクルの熱効率 ($\eta_C$) の計算:
  10. コンバインドサイクル全体の熱効率は、全体の仕事量(ガスタービンの仕事と蒸気原動所の仕事の合計)を、全体の投入熱量(ガスタービンへの投入熱量)で割ることで求められます。

    $\eta_C = \frac{W_G + W_S}{Q_G}$

    上記1)と4)の結果を代入します。

    $\eta_C = \frac{\eta_G Q_G + \eta_S \eta_R (1 - \eta_G) Q_G}{Q_G}$

    分子・分母を $Q_G$ で割ると、

    $\eta_C = \eta_G + \eta_S \eta_R (1 - \eta_G)$

    この式がコンバインドサイクルの熱効率を示します。一般的には、蒸気原動所の熱効率$\eta_S$と排熱利用割合$\eta_R$の積をまとめて「蒸気タービン系からの熱回収効率」と捉えることもできます。

  • 【15】の正解:$\eta_G + \eta_R \eta_S (1 - \eta_G)$
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