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熱機関の熱効率ηは、熱機関が受け取った熱量に対して、どれだけの仕事を出力できたかを示す指標です。熱サイクルにおいては、作動流体が外部から熱を受け取り、外部へ仕事を供給し、そして外部へ熱を放出するというプロセスを繰り返します。
熱機関の熱効率ηは、以下の公式で定義されます。
熱サイクルにおいて、サイクル中に作動流体が外部から受け取った総熱量 QH と、外部へ放出した総熱量 QL の差が、サイクル中に行われた正味の仕事 W に等しくなります。
この関係を熱効率の定義式に代入すると、以下のようになります。
さらに、この式は次のように変形することもできます。
今回の設問「i) それぞれのサイクルにおいて、$Q_H$の熱が供給され、$Q_L$の熱が放出されるとき、サイクルの熱効率ηは、式η =【1】と表される。」に対する解答は、上記の定義に基づきます。
提示された解答群から、熱効率ηの定義に合致する最も適切な式を選択します。
この式は、熱機関が供給された熱量QHのうち、どれだけが仕事として取り出され(QH - QL)、残りが廃熱QLとして放出されたかを示しています。したがって、【1】には (QH - QL) / QH が入ります。
今回の【1】の正解が「イ」であると示されていますので、「イ」の選択肢が (QH - QL) / QH に該当すると考えられます。
この設問は熱効率の定義を問うものであり、具体的な数値計算は含まれないため、単位変換等の計算過程の説明は不要です。
T-s線図において、ある過程で加えられる(または放出される)熱量 Q は、その過程の曲線と横軸(エントロピー軸)で囲まれた面積に相当します。これは、可逆過程における熱力学の基本原理に基づいています。T-s線図の面積は、温度 T とエントロピー変化 Δs の積(TΔs)として熱量を表すため、視覚的に熱量変化を理解する上で非常に重要です。
オットーサイクルとディーゼルサイクルにおける各過程の熱量について、図3(B)のT-s線図を用いて確認します。
「両サイクルともに放熱量Q_Lは、図中の【2】で囲まれる部分で同一量である」と問われています。
上記の熱力学の原則に基づくと、両サイクル共通の放熱量 Q_L は、過程 d→a の下の面積であるf-a-d-e-fに相当します。これは選択肢の[エ]に該当します。
しかし、ご提示いただいた「正解」は[カ] f-b'-c-e-fとなっています。
「供給熱量Q_Hはオットーサイクルでは【3】で囲まれる部分」と問われています。
上記の熱力学の原則に基づくと、オットーサイクルの供給熱量 Q_H は、過程 b'→c の下の面積であるf-b'-c-e-fに相当します。これは選択肢の[カ]に該当します。
しかし、ご提示いただいた「正解」は[オ] f-b-c-e-fとなっています。
「供給熱量Q_Hはディーゼルサイクルでは【4】で囲まれる部分」と問われています。
上記の熱力学の原則に基づくと、ディーゼルサイクルの供給熱量 Q_H は、過程 b→c の下の面積であるf-b-c-e-fに相当します。これは選択肢の[オ]に該当します。
ご提示いただいた「正解」も[オ]であり、これは熱力学の定義と一致します。多角形 f-b-c-e-f は、曲線b-cとs軸(線分f-e)で囲まれた台形の面積であり、ディーゼルサイクルにおける等圧加熱過程 b→c での供給熱量を正しく表しています。
サイクルの熱効率ηは、供給される熱量
問題文では、「
したがって、
小問2の解説より、図3(B)のT-s線図において、放熱量
図3(B)のT-s線図を比較すると、状態bからcへの曲線(ディーゼルサイクル)が状態b'からcへの曲線(オットーサイクル)よりも、T-s線図上では右側に位置し、かつ、同じ最大温度点cに到達しています。T-s線図における曲線下の面積は熱量を表すため、ディーゼルサイクルの定圧加熱過程(b-c)の面積は、オットーサイクルの定積加熱過程(b'-c)の面積よりも明らかに大きいことが視覚的に判断できます。
このことから、本条件では以下の関係が成り立ちます。
そして、小問2の解説で述べられている通り、
【5】の解説で明らかにしたように、「
よって、本条件では、オットーサイクルに対してディーゼルサイクルの熱効率は高くなります。
エネルギー管理士の国家試験対策、お疲れ様です。熱力学の理論サイクル計算は、基礎をしっかり理解していれば得点源になります。今回のディーゼルサイクルの熱効率計算も、一歩ずつ丁寧に見ていきましょう。
適用すべき公式:
断熱変化(等エントロピー変化)における圧力と比体積の関係は、ポアソンの法則として知られています。
この法則を状態点1と状態点2に適用すると、次の関係式が成り立ちます。
この式を変形して圧力比
となります。ここで、圧縮比
と表すことができます。
正解の選択肢:
他の選択肢が不適切な理由:
適用すべき公式:
上記の【7】で導出した断熱圧縮の関係式を利用します。
計算過程:
問題文より、以下の値が与えられています。
ディーゼルサイクルでは、状態点2→状態点3が定圧加熱であるため、
これを断熱圧縮の式に代入します。
ここで、与えられた「指数計算の表」を参照します。表中の「
したがって、圧縮比
解答形式は【A】×10ですので、
解答:
【A】 1.50
適用すべき公式:
断熱変化(等エントロピー変化)における温度と比体積の関係も、ポアソンの法則の一つです。
この法則を状態点1と状態点2に適用すると、次の関係式が成り立ちます。
この式を変形して
となります。ここで、圧縮比
と表すことができます。
正解の選択肢:
他の選択肢が不適切な理由:
適用すべき公式:
上記の【8】で導出した式を利用します。
計算過程:
問題文および前段の計算結果より、以下の値がわかっています。
まず、指数部分を計算します。
これを式に代入します。
本設問は、小問4に続くディーゼルサイクルとの比較問題であり、前提条件および小問4で計算された一部の値を引き継いで解答を導きます。
オットーサイクルでは、以下の熱力学的過程を経て作動流体がサイクルを循環します。
サイクルの熱効率$\eta_O$は、供給熱量$Q_H$と放熱量$Q_L$を用いて、一般的な熱効率の定義式で表されます。
適用すべき公式:
$\eta = 1 - \frac{Q_L}{Q_H}$
作動流体が理想気体であると仮定し、定積比熱を$c_v$とすると、各熱量は以下のようになります。
これらの式を熱効率の定義式に代入します。
$\eta_O = 1 - \frac{c_v (T_4 - T_1)}{c_v (T_3 - T_2)}$
$\eta_O = 1 - \frac{T_4 - T_1}{T_3 - T_2}$
さらに、オットーサイクルにおける断熱変化の条件から、$T_1/T_2 = T_4/T_3$ が成り立ちます。この条件を加味して熱効率式を整理すると、以下のようになります。
オットーサイクルは等容加熱(2→3)および等容放熱(4→1)であるため、$v_2 = v_3$ および $v_1 = v_4$ です。したがって、圧縮比を$\epsilon = v_1/v_2$とすると、$v_4/v_3 = \epsilon$となります。
よって、$\frac{T_2}{T_1} = \frac{T_3}{T_4} = \epsilon^{\kappa-1}$ が成り立ちます。
この関係($T_1/T_2 = T_4/T_3$ または $T_2/T_1 = T_3/T_4$)を利用して、上記の熱効率式をさらに整理することもできますが、設問の文脈から「1)で求めた効率算定式の熱量を各状態点の温度と比熱から計算し、さらに断熱変化による条件$T_1/T_2 = T_4/T_3$を加味して整理すると、式$\eta_O$=【10】で表され」とあるため、$T_4, T_1, T_3, T_2$ を用いた形が求められます。
したがって、【10】の正解は、イ ($1 - \frac{T_4 - T_1}{T_3 - T_2}$) となります。
熱効率を計算するために、各状態点の温度を求めます。
与えられた前提条件:
小問4からの引き継ぎ条件:
「この条件では、オットーサイクルの放熱量はディーゼルサイクルと同じなので、$T_4$はディーゼルサイクルと同じである。」
小問4において、ディーゼルサイクルの$T_4$は $T_4 = \sigma^\kappa T_1$ で求められ、その値は1.40×$10^3$[K]と示されていました。しかし、この値は途中計算で丸められた結果であり、より厳密な計算ではその前の値を用いる必要があります。小問4の解答【C】より締切比$\sigma=3.00$、表より$3.00^{1.4}=4.656$が与えられています。
計算過程:
$T_4 = \sigma^\kappa T_1 = 3.00^{1.4} \times 300 \text{ K}$
$T_4 = 4.656 \times 300 \text{ K}$
$T_4 = 1396.8 \text{ K}$
この $T_4 = 1396.8 \text{ K}$ をオットーサイクルの計算に用います。
$T_2$の計算:
オットーサイクルの断熱変化の条件から、$T_1/T_2 = T_4/T_3$ が成り立ちます。この関係を用いて、$T_2$を計算します。
適用すべき公式:
$T_2 = T_1 \frac{T_3}{T_4}$
値を代入して$T_2$を計算します。
$T_2 = 300 \text{ K} \times \frac{2660 \text{ K}}{1396.8 \text{ K}}$
$T_2 \approx 300 \times 1.9043528... \text{ K}$
$T_2 \approx 571.30584 \text{ K}$
熱効率$\eta_O$の計算:
求めた各温度を熱効率の式に代入します。
適用すべき公式:
$\eta_O = 1 - \frac{T_4 - T_1}{T_3 - T_2}$
$\eta_O = 1 - \frac{1396.8 \text{ K} - 300 \text{ K}}{2660 \text{ K} - 571.30584 \text{ K}}$
$\eta_O = 1 - \frac{1096.8 \text{ K}}{2088.69416 \text{ K}}$
$\eta_O = 1 - 0.525164...$
$\eta_O = 0.474835...$
この値を「【F】×$10^{-1}$」の形式で表し、解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入します。
$0.474835... = 4.74835... \times 10^{-1}$
【F】に当てはまる数値は$4.74835...$です。解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入するとのことなので、有効数字3桁と判断し、小数点以下第2位の「4」が最小位、その一つ下の位である小数点以下第3位の「8」を四捨五入します。
$4.74835... \rightarrow 4.75$
したがって、【F】の正解は 4.75 となります。