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出典:令和05年度 エネルギー管理士 第4問

問題 4

令和05年 - エネルギー管理士

答え合わせ 回答リセット

回答進捗状況

0 / 24 の解答欄に回答済み (0%)

図1
図1
図2
図2
図3
図3
小問 1
問題 r05_4_1
次の各文章の【1】~【10】の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。なお、一つの解答群から同じ記号を2回以上使用してもよい。 また、【A a.bc】~【F a.bc×$10^{-1}$】に当てはまる数値を計算し、その結果を答えよ。ただし、解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入すること。(配点計50点) いずれも空気を作動流体とし、最大圧力と最大温度が等しいオットーサイクルとディーゼルサイクルについて考える。この両サイクルのP-v線図とT-s線図を、オットーサイクルは図1に、ディーゼルサイクルは図2に示す。ここで、作動流体の状態量として、Pは圧力、vは比体積、Tは絶対温度、sは比エントロピーを示し、κは比熱比を表す。各図の1~4は作動流体の熱力学的状態点の番号であり、各状態点の状態量を表す記号にはその状態点の番号を添字として用いる。また、両サイクルとも状態点1を初期状態とし、その状態量は同じであるとする。 なお、指数の計算においては表の数値を用いることとするが、表中のXに計算で求められた値を適用するときは、表中で最も近い値に対する指数の値を用いることとする。 **図1 オットーサイクルの線図** **図2 ディーゼルサイクルの線図** 1) この両サイクルについて、図3(A)はP-v線図上に重ねて示したものであり、図3(B)はT-s線図上に重ねて示したものである。ここで、オットーサイクルはa-b'-c-d-a、ディーゼルサイクルはa-b-c-d-aで表される。 **図3 オットーサイクルとディーゼルサイクルを重ねた線図** i) それぞれのサイクルにおいて、$Q_H$の熱が供給され、$Q_L$の熱が放出されるとき、サイクルの熱効率ηは、式η =と表される。
小問1の選択肢を表示
解答欄
解答欄 1 未回答
解説

サイクルの熱効率ηに関する解説

熱機関の熱効率ηは、熱機関が受け取った熱量に対して、どれだけの仕事を出力できたかを示す指標です。熱サイクルにおいては、作動流体が外部から熱を受け取り、外部へ仕事を供給し、そして外部へ熱を放出するというプロセスを繰り返します。

適用すべき公式

熱機関の熱効率ηは、以下の公式で定義されます。

  • η = (出力仕事 W) / (供給熱量 QH)

熱サイクルにおいて、サイクル中に作動流体が外部から受け取った総熱量 QH と、外部へ放出した総熱量 QL の差が、サイクル中に行われた正味の仕事 W に等しくなります。

  • W = QH - QL

この関係を熱効率の定義式に代入すると、以下のようになります。

  • η = (QH - QL) / QH

さらに、この式は次のように変形することもできます。

  • η = 1 - (QL / QH)

計算過程

今回の設問「i) それぞれのサイクルにおいて、$Q_H$の熱が供給され、$Q_L$の熱が放出されるとき、サイクルの熱効率ηは、式η =【1】と表される。」に対する解答は、上記の定義に基づきます。

提示された解答群から、熱効率ηの定義に合致する最も適切な式を選択します。

  • もし解答群に (QH - QL) / QH があれば、これが正解となります。

この式は、熱機関が供給された熱量QHのうち、どれだけが仕事として取り出され(QH - QL)、残りが廃熱QLとして放出されたかを示しています。したがって、【1】には (QH - QL) / QH が入ります。

今回の【1】の正解が「イ」であると示されていますので、「イ」の選択肢が (QH - QL) / QH に該当すると考えられます。

この設問は熱効率の定義を問うものであり、具体的な数値計算は含まれないため、単位変換等の計算過程の説明は不要です。

小問 2
問題 r05_4_2
ii) 図3(B)のT-s線図において、両サイクルともに放熱量$Q_L$は、図中ので囲まれる部分で同一量であるが、供給熱量$Q_H$はオットーサイクルではで囲まれる部分、ディーゼルサイクルではで囲まれる部分となる。
小問2の選択肢を表示
解答欄
解答欄 1 未回答
解答欄 2 未回答
解答欄 3 未回答
解説

T-s線図と熱量変化の基礎

T-s線図において、ある過程で加えられる(または放出される)熱量 Q は、その過程の曲線と横軸(エントロピー軸)で囲まれた面積に相当します。これは、可逆過程における熱力学の基本原理に基づいています。T-s線図の面積は、温度 T とエントロピー変化 Δs の積(TΔs)として熱量を表すため、視覚的に熱量変化を理解する上で非常に重要です。

  • 曲線が上にあるほど温度が高く、その下の面積が大きくなるため、より多くの熱量変化を示します。
  • 加熱過程(エントロピー s が増加する過程)では、曲線とs軸で囲まれる面積が供給熱量 Q_H を表します。
  • 放熱過程(エントロピー s が減少する過程)では、曲線とs軸で囲まれる面積が放熱量 Q_L を表します。

オットーサイクルとディーゼルサイクルにおける各過程の熱量について、図3(B)のT-s線図を用いて確認します。

  • オットーサイクル (a-b'-c-d-a)
    • b'→c 過程:等積加熱による熱供給 Q_H。この熱量は、曲線b'-cとs軸(点fと点eを結ぶ線分)で囲まれる面積、すなわち多角形f-b'-c-e-fに相当します。
    • d→a 過程:等積放熱による熱放出 Q_L。この熱量は、曲線d-aとs軸(点fと点eを結ぶ線分)で囲まれる面積、すなわち多角形f-a-d-e-fに相当します。
  • ディーゼルサイクル (a-b-c-d-a)
    • b→c 過程:等圧加熱による熱供給 Q_H。この熱量は、曲線b-cとs軸(点fと点eを結ぶ線分)で囲まれる面積、すなわち多角形f-b-c-e-fに相当します。
    • d→a 過程:等積放熱による熱放出 Q_L。この熱量は、曲線d-aとs軸(点fと点eを結ぶ線分)で囲まれる面積、すなわち多角形f-a-d-e-fに相当します。

各解答欄の解説

解答欄 【2】

「両サイクルともに放熱量Q_Lは、図中の【2】で囲まれる部分で同一量である」と問われています。

  • 上記の熱力学の原則に基づくと、両サイクル共通の放熱量 Q_L は、過程 d→a の下の面積であるf-a-d-e-fに相当します。これは選択肢の[エ]に該当します。

  • しかし、ご提示いただいた「正解」は[カ] f-b'-c-e-fとなっています。

    • [カ] f-b'-c-e-f は、オットーサイクルにおける加熱過程 b'→c の供給熱量 Q_H を表す面積です。したがって、問題文で問われている「放熱量 Q_L」とは異なる概念を指しています。熱力学的に正しい放熱量の面積は[エ]です。このことから、解答欄【2】において、ご提示の「正解」と問題文の意図に齟齬が生じている可能性があります。

解答欄 【3】

「供給熱量Q_Hはオットーサイクルでは【3】で囲まれる部分」と問われています。

  • 上記の熱力学の原則に基づくと、オットーサイクルの供給熱量 Q_H は、過程 b'→c の下の面積であるf-b'-c-e-fに相当します。これは選択肢の[カ]に該当します。

  • しかし、ご提示いただいた「正解」は[オ] f-b-c-e-fとなっています。

    • [オ] f-b-c-e-f は、ディーゼルサイクルにおける加熱過程 b→c の供給熱量 Q_H を表す面積です。したがって、オットーサイクルの供給熱量とは異なります。熱力学的に正しいオットーサイクルの供給熱量の面積は[カ]です。このことから、解答欄【3】においても、ご提示の「正解」と問題文の意図に齟齬が生じている可能性があります。

解答欄 【4】

「供給熱量Q_Hはディーゼルサイクルでは【4】で囲まれる部分」と問われています。

  • 上記の熱力学の原則に基づくと、ディーゼルサイクルの供給熱量 Q_H は、過程 b→c の下の面積であるf-b-c-e-fに相当します。これは選択肢の[オ]に該当します。

  • ご提示いただいた「正解」も[オ]であり、これは熱力学の定義と一致します。多角形 f-b-c-e-f は、曲線b-cとs軸(線分f-e)で囲まれた台形の面積であり、ディーゼルサイクルにおける等圧加熱過程 b→c での供給熱量を正しく表しています。

他の選択肢が不適切な理由

  • [ア] a-b-c-d-a:ディーゼルサイクル全体の囲む面積であり、サイクルが外界にした正味の仕事量(W_{net} = Q_H - Q_L)を表します。これは供給熱量や放熱量そのものではありません。
  • [イ] a-b'-c-d-a:オットーサイクル全体の囲む面積であり、サイクルが外界にした正味の仕事量(W_{net} = Q_H - Q_L)を表します。これも供給熱量や放熱量そのものではありません。
  • [ウ] b'-b-c-b':オットーサイクルとディーゼルサイクルのP-v線図における仕事量の差の一部に相当する領域ですが、T-s線図上では特定の熱量や仕事量を直接的に示す面積ではありません。
小問 3
問題 r05_4_3
iii) $Q_L$が等しいので、$Q_H$の大きいサイクルの方が熱効率はなる。よって、本条件では、オットーサイクルに対してディーゼルサイクルの熱効率はなる。
小問3の選択肢を表示
解答欄
解答欄 1 未回答
解答欄 2 未回答
解説

【5】の解説

サイクルの熱効率ηは、供給される熱量QHと放出される熱量QLを用いて、以下の式で定義されます。

  • η = (QH - QL) / QH
  • この式はさらに η = 1 - (QL / QH) と変形できます。

問題文では、「QLが等しい」という条件が与えられています。この条件のもとで、QHの大小が熱効率ηにどのように影響するかを考えます。

  • もしQHが大きくなると、分母が大きくなるため、比率 (QL / QH) の値は小さくなります。
  • 比率 (QL / QH) が小さくなると、1から引かれる値が小さくなるため、結果として熱効率ηは大きくなります。

したがって、QLが等しい場合、QHの大きいサイクルほど熱効率は高くなります。

  • 正解の選択肢:[ア] 高く
  • [イ] 低く:QHが大きいとQL/QHが小さくなり、1から引かれる値が小さくなるため、熱効率は高くなります。したがって、この選択肢は不適切です。
  • [ウ] 同等と:QHの大小によって熱効率は変化するため、この選択肢は不適切です。

【6】の解説

小問2の解説より、図3(B)のT-s線図において、放熱量QLは両サイクルで同一量であり、供給熱量QHは以下の通りであることが示されています。

  • オットーサイクルのQHは、状態b'からcへの過程(定積加熱)におけるT-s線図下の面積で表されます。
  • ディーゼルサイクルのQHは、状態bからcへの過程(定圧加熱)におけるT-s線図下の面積で表されます。

図3(B)のT-s線図を比較すると、状態bからcへの曲線(ディーゼルサイクル)が状態b'からcへの曲線(オットーサイクル)よりも、T-s線図上では右側に位置し、かつ、同じ最大温度点cに到達しています。T-s線図における曲線下の面積は熱量を表すため、ディーゼルサイクルの定圧加熱過程(b-c)の面積は、オットーサイクルの定積加熱過程(b'-c)の面積よりも明らかに大きいことが視覚的に判断できます。

このことから、本条件では以下の関係が成り立ちます。

  • QH(ディーゼルサイクル) > QH(オットーサイクル)

そして、小問2の解説で述べられている通り、QLは両サイクルで等しいとされています。

【5】の解説で明らかにしたように、「QLが等しいので、QHの大きいサイクルの方が熱効率は高く」なります。したがって、ディーゼルサイクルのQHがオットーサイクルのQHよりも大きいため、ディーゼルサイクルの熱効率はオットーサイクルよりも高くなります。

よって、本条件では、オットーサイクルに対してディーゼルサイクルの熱効率は高くなります。

  • 正解の選択肢:[ア] 高く
  • [イ] 低く:ディーゼルサイクルのQHが大きいことから、熱効率も高くなるため、この選択肢は不適切です。
  • [ウ] 同等と:両サイクルのQHが異なるため、熱効率も異なり、この選択肢は不適切です。
小問 4
問題 r05_4_4
2) この両サイクルの理論熱効率を求める。ここで、吸気温度$T_1$を300K、吸気圧力$P_1$を0.1MPa、最大温度$T_3$を2660K、最大圧力$P_3$を4.43MPaとし、比熱比κは1.4とする。 i) ディーゼルサイクルの熱効率を求める。 圧縮比ε(=$v_1/v_2$)を求める。状態点1→状態点2は断熱変化なので、式$P_2/P_1$=となり、$P_2=P_3$であることから、εの値は×10となる。さらに、$T_2$はεを用いて、式$T_2$=と表せることから、その値は×$10^2$[K]となる。 これより、締切比σ(=$T_3/T_2$)の値を求めると、となる。また、$T_4 = \sigma^\kappa T_1$が成り立つので、$T_4$は×$10^3$[K]となる。 ディーゼルサイクルの熱効率$\eta_D$は、1)で求めた効率算定式中の熱量$Q_H$及び$Q_L$を、各状態点の温度と比熱を用いて整理すると、式$\eta_D$=で表すことができ、その値を計算すると、×$10^{-1}$と求められる。
小問4の選択肢を表示
解答欄
解答欄 1 未回答
解答欄 3 未回答
解答欄 7 未回答
解説

エネルギー管理士の国家試験対策、お疲れ様です。熱力学の理論サイクル計算は、基礎をしっかり理解していれば得点源になります。今回のディーゼルサイクルの熱効率計算も、一歩ずつ丁寧に見ていきましょう。

【7】圧縮比ε(=v1/v2)を求める。状態点1→状態点2は断熱変化なので、式 P2/P1=【7】

適用すべき公式:
断熱変化(等エントロピー変化)における圧力と比体積の関係は、ポアソンの法則として知られています。

  • Pvκ=一定

この法則を状態点1と状態点2に適用すると、次の関係式が成り立ちます。

P1v1κ=P2v2κ

この式を変形して圧力比 P2/P1 を求めると、

P2/P1=(v1/v2)κ

となります。ここで、圧縮比 ϵv1/v2 と定義されていますので、

P2/P1=ϵκ

と表すことができます。

正解の選択肢:

  • [イ] (v1/v2)κ

他の選択肢が不適切な理由:

  • [ア] (v2/v1)κ: これは P1/P2 に対応する形であり、圧力比 P2/P1 を求める式としては不適切です。
  • [ウ] (v2/v1)κ1、[エ] (v1/v2)κ1: これらは断熱変化における温度と比体積の関係 (Tvκ1=一定) から導かれる T2/T1 に対応する形であり、圧力比とは異なります。
  • [オ]~[サ]: これらは温度や熱効率に関する式であり、圧力比を直接表す式ではありません。

【A】εの値は【A】×10となる。

適用すべき公式:
上記の【7】で導出した断熱圧縮の関係式を利用します。

  • P2/P1=ϵκ

計算過程:
問題文より、以下の値が与えられています。

  • 吸気圧力 P1=0.1 MPa
  • 最大圧力 P3=4.43 MPa
  • 比熱比 κ=1.4

ディーゼルサイクルでは、状態点2→状態点3が定圧加熱であるため、P2=P3 が成り立ちます。したがって、P2=4.43 MPa となります。

これを断熱圧縮の式に代入します。

ϵκ=P2/P1=4.43 MPa/0.1 MPa=44.3

ϵ1.4=44.3

ここで、与えられた「指数計算の表」を参照します。表中の「X1.4」の行を見ると、X=15 のときに X1.4=44.31 となっています。最も近い値を用いると指示されていますので、X=15 を採用します。

したがって、圧縮比 ϵ=15 となります。

解答形式は【A】×10ですので、15=1.50×10 となります。

解答:
【A】 1.50

【8】T2はεを用いて、式 T2=【8】と表せる。

適用すべき公式:
断熱変化(等エントロピー変化)における温度と比体積の関係も、ポアソンの法則の一つです。

  • Tvκ1=一定

この法則を状態点1と状態点2に適用すると、次の関係式が成り立ちます。

T1v1κ1=T2v2κ1

この式を変形して T2 を求めると、

T2=T1(v1/v2)κ1

となります。ここで、圧縮比 ϵv1/v2 と定義されていますので、

T2=T1ϵκ1

と表すことができます。

正解の選択肢:

  • [カ] ϵκ1T1

他の選択肢が不適切な理由:

  • [ア]~[エ]: これらは (v2/v1)κ など、比体積の比を指数形式にしたものであり、温度 T1 を掛けて温度を求める形ではありません。
  • [オ] ϵκT1: 指数が κ となっていますが、T-v関係式における指数は κ1 が正しいです。κ はP-v関係式の指数です。
  • [キ] ϵκ1κT1: 指数が (κ1)/κ となっており、これは断熱変化のT-P関係式 (TP(1κ)/κ=一定) から導かれる形に相当します。T-v関係式を直接用いる場合は κ1 が正しい指数です。
  • [ク]~[サ]: これらは熱効率の式であり、温度 T2 を求める式ではありません。

【B】その値は【B】×102[K]となる。

適用すべき公式:
上記の【8】で導出した式を利用します。

  • T2=T1ϵκ1

計算過程:
問題文および前段の計算結果より、以下の値がわかっています。

  • 吸気温度 T1=300 K
  • 圧縮比 ϵ=15
  • 比熱比 κ=1.4

まず、指数部分を計算します。

κ1=1.41=0.4

これを式に代入します。

小問 5
問題 r05_4_5
ii) オットーサイクルの熱効率を求める。 この条件では、オットーサイクルの放熱量はディーゼルサイクルと同じなので、$T_4$はディーゼルサイクルと同じである。 また、オットーサイクルの熱効率$\eta_O$はディーゼルサイクルと同様に、1)で求めた効率算定式の熱量を各状態点の温度と比熱から計算し、さらに断熱変化による条件$T_1/T_2 = T_4/T_3$を加味して整理すると、式$\eta_O$=で表され、その値は×$10^{-1}$と求められる。
小問5の選択肢を表示
解答欄
解答欄 1 未回答
解説

オットーサイクルの熱効率計算

本設問は、小問4に続くディーゼルサイクルとの比較問題であり、前提条件および小問4で計算された一部の値を引き継いで解答を導きます。

1. オットーサイクルの熱効率式(【10】)

オットーサイクルでは、以下の熱力学的過程を経て作動流体がサイクルを循環します。

  • 1 → 2:断熱圧縮(等エントロピー圧縮)
  • 2 → 3:等容加熱($Q_H$供給)
  • 3 → 4:断熱膨張(等エントロピー膨張)
  • 4 → 1:等容放熱($Q_L$放出)

サイクルの熱効率$\eta_O$は、供給熱量$Q_H$と放熱量$Q_L$を用いて、一般的な熱効率の定義式で表されます。

適用すべき公式:
$\eta = 1 - \frac{Q_L}{Q_H}$

作動流体が理想気体であると仮定し、定積比熱を$c_v$とすると、各熱量は以下のようになります。

  • 供給熱量 $Q_H = c_v (T_3 - T_2)$
  • 放熱量 $Q_L = c_v (T_4 - T_1)$

これらの式を熱効率の定義式に代入します。

$\eta_O = 1 - \frac{c_v (T_4 - T_1)}{c_v (T_3 - T_2)}$
$\eta_O = 1 - \frac{T_4 - T_1}{T_3 - T_2}$

さらに、オットーサイクルにおける断熱変化の条件から、$T_1/T_2 = T_4/T_3$ が成り立ちます。この条件を加味して熱効率式を整理すると、以下のようになります。

  • 断熱圧縮(1→2):$\frac{T_2}{T_1} = \left(\frac{v_1}{v_2}\right)^{\kappa-1} = \epsilon^{\kappa-1}$
  • 断熱膨張(3→4):$\frac{T_3}{T_4} = \left(\frac{v_4}{v_3}\right)^{\kappa-1}$

オットーサイクルは等容加熱(2→3)および等容放熱(4→1)であるため、$v_2 = v_3$ および $v_1 = v_4$ です。したがって、圧縮比を$\epsilon = v_1/v_2$とすると、$v_4/v_3 = \epsilon$となります。

よって、$\frac{T_2}{T_1} = \frac{T_3}{T_4} = \epsilon^{\kappa-1}$ が成り立ちます。

この関係($T_1/T_2 = T_4/T_3$ または $T_2/T_1 = T_3/T_4$)を利用して、上記の熱効率式をさらに整理することもできますが、設問の文脈から「1)で求めた効率算定式の熱量を各状態点の温度と比熱から計算し、さらに断熱変化による条件$T_1/T_2 = T_4/T_3$を加味して整理すると、式$\eta_O$=【10】で表され」とあるため、$T_4, T_1, T_3, T_2$ を用いた形が求められます。

したがって、【10】の正解は、イ ($1 - \frac{T_4 - T_1}{T_3 - T_2}$) となります。

2. オットーサイクルの熱効率の値(【F】)の計算

熱効率を計算するために、各状態点の温度を求めます。

与えられた前提条件:

  • 吸気温度 $T_1 = 300$ K
  • 最大温度 $T_3 = 2660$ K
  • 比熱比 $\kappa = 1.4$

小問4からの引き継ぎ条件:

「この条件では、オットーサイクルの放熱量はディーゼルサイクルと同じなので、$T_4$はディーゼルサイクルと同じである。」

小問4において、ディーゼルサイクルの$T_4$は $T_4 = \sigma^\kappa T_1$ で求められ、その値は1.40×$10^3$[K]と示されていました。しかし、この値は途中計算で丸められた結果であり、より厳密な計算ではその前の値を用いる必要があります。小問4の解答【C】より締切比$\sigma=3.00$、表より$3.00^{1.4}=4.656$が与えられています。

計算過程:
$T_4 = \sigma^\kappa T_1 = 3.00^{1.4} \times 300 \text{ K}$
$T_4 = 4.656 \times 300 \text{ K}$
$T_4 = 1396.8 \text{ K}$

この $T_4 = 1396.8 \text{ K}$ をオットーサイクルの計算に用います。

$T_2$の計算:

オットーサイクルの断熱変化の条件から、$T_1/T_2 = T_4/T_3$ が成り立ちます。この関係を用いて、$T_2$を計算します。

適用すべき公式:
$T_2 = T_1 \frac{T_3}{T_4}$

値を代入して$T_2$を計算します。

$T_2 = 300 \text{ K} \times \frac{2660 \text{ K}}{1396.8 \text{ K}}$
$T_2 \approx 300 \times 1.9043528... \text{ K}$
$T_2 \approx 571.30584 \text{ K}$

熱効率$\eta_O$の計算:

求めた各温度を熱効率の式に代入します。

適用すべき公式:
$\eta_O = 1 - \frac{T_4 - T_1}{T_3 - T_2}$

$\eta_O = 1 - \frac{1396.8 \text{ K} - 300 \text{ K}}{2660 \text{ K} - 571.30584 \text{ K}}$
$\eta_O = 1 - \frac{1096.8 \text{ K}}{2088.69416 \text{ K}}$
$\eta_O = 1 - 0.525164...$
$\eta_O = 0.474835...$

この値を「【F】×$10^{-1}$」の形式で表し、解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入します。

$0.474835... = 4.74835... \times 10^{-1}$

【F】に当てはまる数値は$4.74835...$です。解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入するとのことなので、有効数字3桁と判断し、小数点以下第2位の「4」が最小位、その一つ下の位である小数点以下第3位の「8」を四捨五入します。

$4.74835... \rightarrow 4.75$

したがって、【F】の正解は 4.75 となります。

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