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本設問は、エネルギーの使用の合理化に関する事業者の目標及び措置について定めた、いわゆる「省エネ法」の関連条文からの出題です。特に工場・事業場におけるエネルギー消費設備の種類に関する知識が問われています。
問題文では、措置を講ずべきエネルギー消費設備等が列挙されています。「燃焼設備、熱利用設備、廃熱回収設備、コージェネレーション設備、【1】設備、空気調和設備・給湯設備・換気設備・昇降機等、照明設備及びFEMS」という並びになっています。
列挙されている設備は、熱エネルギーを消費する設備(燃焼設備、熱利用設備)、熱を回収・供給する設備(廃熱回収設備、コージェネレーション設備)、あるいは建物の環境を整える設備(空気調和設備・給湯設備・換気設備・昇降機等、照明設備)など、様々な形態のエネルギー消費設備を包括的に示しています。その中で、コージェネレーション設備が発電を行う一方で、工場・事業場では多くの電力を消費する設備が存在します。モーター、ポンプ、ファン、電気炉、圧縮機など、電気を直接的な動力源や熱源として利用する設備は非常に多岐にわたります。「電気使用設備」は、これらの電気エネルギーを消費する設備全般を指す包括的な概念であり、この文脈において他の設備と並列に位置づけられるものとして最も適切です。エネルギー管理の対象となる設備として、熱利用と並び、電気利用は重要な柱となります。
本設問は、廃熱回収設備に対して講ずべき措置に関する内容です。廃熱の回収利用における目標設定の項目が問われています。
問題文では、「排ガスの廃熱の回収利用について、別表(省略)に掲げる【2】及び廃熱回収率の値を目標として【2】を低下させ廃熱回収率を高めるよう努めること」とあります。
廃熱回収の主要な目的は、排ガスが持つ熱エネルギーを最大限に回収し、有効利用することです。排ガスが持つ熱エネルギーの量は、その「廃ガス量」と「廃ガス温度」に大きく依存します。特に温度が高いほど、その熱は利用価値が高く、また回収効率も向上させやすい特性があります。
「【2】を低下させ廃熱回収率を高める」という文脈で考えると、これは「排出される排ガスの状態」を指しています。廃熱回収設備を適切に運転し、排ガスから多くの熱を回収すればするほど、最終的に系外に排出される排ガスの温度は「低下」します。この「排出廃ガス温度の低下」こそが、廃熱回収が効果的に行われている証拠であり、エネルギー効率の改善に直結します。
したがって、廃熱回収の目標として、排出される「廃ガス温度」を低くすること(つまり、排ガス中の熱を最大限回収すること)と、その結果として「廃熱回収率」を高めることが求められるため、[イ] 廃ガス温度が両方の空欄に適切に入ります。これは、熱エネルギーの回収において、いかに排ガスの顕熱(温度による熱)を有効利用するかの指標となります。
本設問では、伝熱現象を電気回路のアナロジーで捉える場合の、物理量の対応関係について問われています。このアナロジーは、熱伝導の基本的な法則が電気回路におけるオームの法則と数学的に類似していることから用いられます。エネルギー管理士試験でも頻出の重要な概念です。
まず、それぞれの分野における基本的な法則を確認しましょう。
I = V / RQ = λAΔT / ΔxQ = ΔT / (Δx / (λA))上記の2つの法則を比較すると、以下のような対応関係が見えてきます。
今回の設問で問われているのは「熱系の熱流束」が電気系の何に相当するかです。
q = Q / Aj = I / Aしたがって、熱系の熱流束は、電気系の電流密度に相当します。
上記で導き出した対応関係に基づき、各選択肢を評価します。
以上のことから、解答欄【3】の正解は[ウ] 電流密度となります。
今回の設問は、小問3、小問4、小問5の3つです。それぞれ独立した問題として解説します。
この問題は、理想気体の状態変化における体積を求めるものです。圧力、体積、温度の関係を示すボイル・シャルルの法則を適用します。
理想気体のモル数が一定の条件下で、ある状態1から別の状態2へ変化する場合、以下の関係が成り立ちます。
P1V1 / T1 = P2V2 / T2
ここで、
この式を変形して、変化後の体積V2を求めます。
V2 = V1 × (P1 / P2) × (T2 / T1)
与えられた条件を確認します。
上記の公式にこれらの値を代入します。単位はPa, m3, Kで統一されているため、変換は不要です。
V2 = 10 m3 × (1.013 × 105 Pa / (5.1 × 105 Pa)) × (400 K / 273 K)
まず、圧力比と温度比をそれぞれ計算します。
圧力比 = 1.013 × 105 / (5.1 × 105) = 1.013 / 5.1 ≈ 0.198627
温度比 = 400 / 273 ≈ 1.465201
これらの値を体積V1に乗じます。
V2 = 10 × 0.198627 × 1.465201
V2 ≈ 2.9105 m3
小数点以下第2位までを考慮して四捨五入すると、約2.9 m3となります。
【A】は 2.9 です。
この問題は、乾き燃焼排ガス中の酸素濃度から空気比を求めるものです。簡易式が与えられているので、それを利用します。
乾き燃焼排ガス中の酸素濃度(O2%)から空気比mを求める簡易式は、燃焼用空気中の酸素濃度が約21%(体積割合)であることを利用して、以下の近似式が用いられます。
m = 21 / (21 - O2%)
ここで、O2%は乾き燃焼排ガス中の酸素濃度(体積割合)です。
与えられた条件を確認します。
上記の簡易式にこの値を代入します。
m = 21 / (21 - 3.5)
まず、分母の計算を行います。
21 - 3.5 = 17.5
次に、分子を分母で割ります。
m = 21 / 17.5
m = 1.2
【B】は 1.2 です。
この問題は、管内径が変化する円管内を流れる水の流速の変化を求めるものです。流体の密度が変化しない(非圧縮性流体)定常流なので、連続の式を適用します。
非圧縮性流体の定常流における連続の式は、以下の形で表されます。
A1v1 = A2v2
ここで、
円管の断面積Aは、管内径Dを用いてA = πD2 / 4と表されます。
これを連続の式に代入すると、
(πD12 / 4) × v1 = (πD22 / 4) × v2
両辺から共通の定数(π/4)を削除すると、
D12 v1 = D22 v2
この式を変形して、拡大後の流速v2と拡大前の流速v1の関係を求めます。
v2 = v1 × (D1 / D2)2
与えられた条件を確認します。
上記の公式にこれらの関係を代入します。
v2 = v1 × (D1 / (2D1))2
括弧内の (D1 / (2D1)) は、D1が約分されて 1/2 となります。
v2 = v1 × (1/2)2
v2 = v1 × (1/4)
したがって、拡大後の管内平均流速は、拡大前の管内平均流速の 1/4 倍となります。
【4】の選択肢は [ア] 1/4, [イ] 1/2, [ウ] 2 です。
計算結果より、正解は [ア] 1/4 です。
今回の設問は、湿り蒸気に関する基本的な定義と性質について問われています。 まず、湿り蒸気とは、飽和液(液体)と乾き飽和蒸気(気体)が共存している状態の蒸気を指します。この状態の蒸気は、温度と圧力が飽和状態にあります。
乾き度(x、または乾き飽和度)とは、湿り蒸気中に含まれる乾き飽和蒸気の質量分率のことです。 これは、湿り蒸気全体の質量に対する、その中の乾き飽和蒸気の質量の割合を示す指標です。 適用すべき公式は以下の通りです。
乾き度 x = (乾き飽和蒸気の質量) / (湿り蒸気の総質量)
具体的には、飽和液の質量を mf [kg]、乾き飽和蒸気の質量を mg [kg] とすると、湿り蒸気の総質量は (mf + mg) となるため、乾き度 x は次のように表せます。
x = mg / (mf + mg)
乾き度は0から1までの値を取ります。
問題文のこの記述は、熱力学の用語の厳密な定義に照らすと注意が必要な表現です。
一般的に「凝縮潜熱」とは、乾き飽和蒸気(乾き度 x=1)が、同一圧力(または温度)の飽和液(乾き度 x=0)に変化する際に放出する熱量(エンタルピー変化)を指します。この値は記号 hfg で表され、蒸気の圧力(または温度)によって決まりますが、乾き度には依存しません。つまり、hfg は一定の条件であれば乾き度が変化してもその値は変わりません。
しかし、もしこの記述が「単位質量(1kg)の湿り蒸気が、全て飽和液になる際に放出する潜熱」を指していると解釈する場合、その熱量は「x × hfg」となります。この場合、乾き度 x が高ければ高いほど、湿り蒸気1kg中に含まれる蒸気の量が多いので、液化する際に放出する熱量(x × hfg)は大きくなります。この解釈であれば、問題文の記述は成立します。
エネルギー管理士試験では、このような紛らわしい表現が出題されることがあります。熱力学の標準的な定義では、凝縮潜熱 (hfg) は乾き度には依存しないと理解しておくことが重要です。一方で、文脈によっては「湿り蒸気全体の持つ潜熱成分」という意味合いで用いられることもありますので、問題文の意図を正確に読み解く訓練も必要です。
湿り蒸気のエンタルピー hx は、飽和液のエンタルピー hf と蒸発潜熱 hfg を用いて次のように表されます。
hx = hf + x × hfg
この式からもわかるように、乾き度 x が大きいほど、湿り蒸気1kgが保有するエンタルピーは大きくなります。
この問題は、平板における一次元定常熱伝導に関する温度計算です。熱伝導の基本法則であるフーリエの法則を適用して解きます。
フーリエの法則は、熱流束qと温度勾配dT/dxの関係を以下の式で表します。
q = -λ(dT/dx)
ここで、
q: 単位面積当たりの熱流束 [W/m2]λ: 熱伝導率 [W/(m·K)]dT/dx: 温度勾配 [K/m]一次元定常熱伝導で、厚さδの平板があり、両表面の温度がTH(高温側)とTL(低温側)である場合、熱流束qは以下の式で表されます。
q = λ(TH - TL) / δ
ここで、
TH: 高温側表面温度 [℃] または [K]TL: 低温側表面温度 [℃] または [K]δ: 平板の厚さ [m]まず、与えられた値を整理し、SI単位系に統一します。
δ = 20 mmδ = 20 × 10-3 m = 0.02 mλ = 25 W/(m·K)TH = 100 ℃q = 40 kW/m2q = 40 × 103 W/m2 = 40000 W/m2次に、上記のフーリエの法則の式q = λ(TH - TL) / δを変形して、低温側の表面温度TLを求めます。
両辺にδを掛けると、
qδ = λ(TH - TL)
両辺をλで割ると、
qδ / λ = TH - TL
TLについて解くと、
TL = TH - (qδ / λ)
それぞれの数値をこの式に代入して計算します。
TL = 100 ℃ - ( (40000 W/m2) × (0.02 m) / (25 W/(m·K)) )
かっこ内の計算を先に進めます。
分子の計算:
40000 [W/m2] × 0.02 [m] = 800 [W/m]
この結果を分母の熱伝導率で割ります。
800 [W/m] / 25 [W/(m·K)] = 32 [K]
ここで得られた32 Kは温度差を示します。温度差はケルビン(K)と摂氏(℃)で同じ値であるため、32 Kの温度差は32 ℃の温度差に相当します。
最後に、低温側の表面温度TLを計算します。
TL = 100 ℃ - 32 ℃ = 68 ℃
したがって、低温側の表面温度は 68 ℃ です。
この問題は、放射伝熱に関する基本的な法則、特にキルヒホッフの放射法則についての理解を問うものです。
外部から物体に放射エネルギーが与えられ、その物体が熱的平衡状態にあるとき、入射した放射エネルギーは、反射されるか(反射率ρ)、吸収されるか(吸収率α)、透過するか(透過率τ)のいずれかです。エネルギー保存則により、これらの割合の合計は1となります。
反射率(ρ) + 吸収率(α) + 透過率(τ) = 1
問題の後半は、「この熱的平衡状態にある物体表面の放射率(ε)に等しいのは、【6】率である」という問いです。これは「キルヒホッフの放射法則」によって説明されます。
キルヒホッフの放射法則は、「ある温度にある物体が放射するエネルギーと、同じ温度にあるその物体が吸収する放射エネルギーの比は、放射源の性質によらず一定である」というものです。これを簡単に表現すると、「熱的平衡状態にある物体では、その放射率(ε)は吸収率(α)に等しい」となります。
ε = α
この法則は、「良き吸収体は良き放射体である」ということを意味します。例えば、黒体はすべての入射放射を吸収するため吸収率が1ですが、同時に放射率も1です。一方、鏡のような表面は放射をほとんど吸収せず(吸収率が低い)、ほとんど反射するため、放射率も低いです。
以上の理由から、放射率に等しいのは [ア] 吸収率 です。
廃熱回収計画を立案する上で、回収熱の効率的利用を図るためには、回収媒体への熱交換における【7】エクセルギーの損失を極力少なくすることが求められます。
この問題は、熱力学における重要な概念である「エクセルギー」に関する知識を問うものです。廃熱回収計画において、単に熱量(エンタルピー)を回収するだけでなく、その回収した熱をいかに有効に利用できるかという「質」の視点が重要となります。
エクセルギー(Exergy)とは、「利用可能エネルギー」や「有効エネルギー」とも呼ばれ、熱力学第二法則に基づいて、あるエネルギー源(熱、物質など)が周囲の環境(基準状態)と熱的・力学的に平衡に達するまでに、外部に取り出しうる最大の仕事量を指します。言い換えれば、エネルギーの「質」を表す指標です。
廃熱回収計画においては、単に廃熱が持つ熱量(エンタルピー)を回収するだけでなく、その熱をどれだけ有効に利用できるか、つまり仕事に変換できるか、あるいはより高温の熱として利用できるかという観点から、エクセルギーの損失を評価することが非常に重要です。熱交換器などでの熱交換プロセスでは、不可逆性(例:熱伝達における温度差)が生じるほどエクセルギーが損失され、エネルギーの質が低下します。したがって、回収媒体への熱交換においてエクセルギーの損失を極力少なくすることは、回収した熱の利用価値を最大化し、効率的な廃熱利用を実現するために不可欠な目標となります。
アネルギー(Anergy)とは、エクセルギーの対義語で、「利用不可能エネルギー」や「無効エネルギー」とも呼ばれます。これは、あるエネルギー源が周囲の環境と平衡に達した際に、もはや仕事として取り出すことができなくなったエネルギーの部分を指します。エネルギーの総量(エンタルピー)は、エクセルギーとアネルギーの和として表されます。
廃熱回収の目的は、利用可能なエネルギー(エクセルギー)を増やすことであり、アネルギー自体を「損失」として減らすという表現は適切ではありません。アネルギーが多いということは、エクセルギーが少ないことを意味するため、エクセルギー損失を減らすことが結果的にアネルギーの増加を抑制することに繋がりますが、「アネルギーの損失を少なくする」という直接的な表現は誤りです。
エントロピー(Entropy)とは、系の乱雑さや無秩序さの度合いを示す熱力学的な状態量です。熱力学第二法則によれば、孤立系における不可逆変化ではエントロピーは必ず増大します(エントロピー増大の法則)。エントロピーの増大は、エネルギーの質が劣化し、エクセルギーが損失することを意味します。
エントロピーは「損失」として直接回収を目標とするものではありません。エントロピーの増大を抑制することによって、エクセルギーの損失を少なくすることができます。しかし、「熱交換におけるエントロピーの損失」という表現は一般的ではなく、より直接的にエネルギーの利用価値の低下を示す「エクセルギーの損失」がこの文脈では適切です。
以上の理由から、廃熱回収計画における効率的利用のためには、回収媒体への熱交換におけるエクセルギーの損失を極力少なくすることが求められます。
この設問は、空気調和設備の省エネルギーに関する管理標準について問うものです。特に、外気条件の季節変動等に応じ、どのようなパラメータを設定することで、空気調和設備の総合的なエネルギー効率を向上させるか、という点がポイントとなります。
空気調和設備は、熱源設備(冷凍機、ボイラーなど)、熱搬送設備(ポンプ、配管など)、空気調和機設備(ファン、コイルなど)から構成されます。これらの設備を連携させて効率的に運用することが、省エネルギーの鍵となります。
[ウ] 冷却水温度や冷温水温度が正解である理由:
[ア] 最適湿度 が不適切である理由:
[イ] 二酸化炭素濃度 が不適切である理由:
したがって、空気調和設備の総合的なエネルギー効率向上を目指す管理標準において、外気条件の季節変動等に応じて設定すべき項目としては「冷却水温度や冷温水温度」が最も適切です。
この問題は、火力発電設備の発電出力と熱効率から、燃料である天然ガスの消費量を求める問題です。
まず、適用する公式を明確にします。
与えられた値を整理します。
求める値は1時間当たりの天然ガスの平均使用量 V [
計算手順を追って説明します。
ステップ1: 単位の統一
計算を容易にするため、全ての単位をSI単位系に統一します。特に、時間単位を「秒 (s)」から「時間 (h)」に、エネルギー単位を「メガジュール (MJ)」から「ジュール (J)」に、電力を「メガワット (MW)」から「ワット (W)」に変換します。
ステップ2: 発電に必要な燃料の総投入熱量 (Q_in) を求める
発電出力 P = Q_in × η の式から、Q_in を求めます。
Q_in = P / η
Q_in = (200 × 10^6 J/s) / 0.40
Q_in = 500 × 10^6 J/s
これは、1秒あたりに燃料から供給されるべき熱量です。
ステップ3: 1時間当たりの総投入熱量を求める
求める天然ガス使用量の単位が [
1時間 = 3600秒
Q_in (1時間あたり) = Q_in (1秒あたり) × 3600 s/h
Q_in (1時間あたり) = (500 × 10^6 J/s) × 3600 s/h
Q_in (1時間あたり) = 1800 × 10^9 J/h = 1.8 × 10^12 J/h
ステップ4: 天然ガス使用量 (V) を求める
Q_in (1時間あたり) = V × H_H の式から、V を求めます。
V = Q_in (1時間あたり) / H_H
V = (1.8 × 10^12 J/h) / (45 × 10^6 J/
V = (1.8 / 45) × 10^(12-6) [
V = 0.04 × 10^6 [
V = 40000 [
問題の解答形式は【D】 \times 10^{【d】}[
したがって、1時間当たりの天然ガスの平均使用量は 4.0 × 10^4 [
解答:
【D】4.0
この問題は、三相電動機の有効電力、線間電圧、力率から、線電流を求める問題です。
まず、適用する公式を明確にします。
与えられた値を整理します。
求める値は、この電動機に供給される1相当たりの電流です。三相平衡負荷の場合、通常は線電流 (I_L) を求めることが一般的です。電力計算も線電流を用いて行われます。
計算手順を追って説明します。
ステップ1: 単位の統一
有効電力の単位をキロワット (kW) からワット (W) に変換します。
ステップ2: 公式を変形し、線電流 (I_L) を求める
P = √3 × V_L × I_L × cosφ の式を I_L について解きます。
I_L = P / (√3 × V_L × cosφ)
ステップ3: 値を代入して計算する
I_L = (40 × 10^3 W) / (1.73 × 200 V × 0.82)
I_L = 40000 / (1.73 × 200 × 0.82)
I_L = 40000 / (346 × 0.82)
I_L = 40000 / 283.72
I_L ≈ 140.98 A
これを問題の解答形式【E】×
I_L ≈ 140.98 A = 1.4098 × 10^2 A
問題の解答欄【E】の正解が「1.4」であるため、有効数字2桁に丸めて
I_L ≈ 1.4 × 10^2 A
したがって、E = 1.4 となります。
解答:
【E】1.4
この問題は、交流回路における力率の定義に関する穴埋め問題です。
まず、力率の定義を説明します。
交流回路では、電源から供給される全電力を「皮相電力」、実際に負荷で仕事に変換される電力を「有効電力」、そして磁界の形成などに消費され、仕事に変換されない電力を「無効電力」と呼びます。これらの電力の関係は、直角三角形で表すことができ、皮相電力が斜辺、有効電力が底辺、無効電力が高さに相当します。
力率 (Power Factor) とは、電源から供給される電力のうち、どれだけが有効電力として利用されているかを示す割合です。 したがって、皮相電力に対する有効電力の割合で定義されます。
力率 = 有効電力 / 皮相電力
各選択肢の内容を確認します。
力率が低くなると、皮相電力に対する有効電力の割合が小さくなるため、同じ有効電力を得るために大きな電流を流す必要が生じます。これにより、送電線や変圧器などの設備に流れる電流が増加し、抵抗による電力損失(ジュール熱)が増加したり、電圧降下が大きくなったりするなどの問題が発生します。
したがって、正解は、力率を「有効電力 / 皮相電力」で表す[ア]です。
解答:
【9】[ア] 有効電力 / 皮相電力
この問題は、工場における最大需要電力の管理に関する計算問題です。最大需要電力は30分ごとの平均値で管理されるため、30分間の総電力使用量を基に計算を進めます。
30分間の最大許容電力使用量を算出します。
最大需要電力は6000kWであり、これは30分間の平均値で管理されます。
まず、30分を時間単位に変換します。
したがって、30分間に許容される最大の電力使用量
9時から9時25分までの25分間の電力使用量を確認します。
問題文より、この期間の電力使用量は
残りの5分間で許容される電力使用量を算出します。
30分間の最大許容電力使用量から、既に消費した電力量を差し引きます。
これが、9時25分から9時30分までの残り5分間で、目標の最大需要電力を超えないために許容される最大の電力使用量となります。
残りの5分間の平均電力を算出します。
残りの時間は5分間です。これを時間単位に変換すると、
残りの5分間の平均電力
解答は【F】×
したがって、【F】は4.8 となります。
この問題は、電動機駆動の送風機の慣性モーメントが風量変化の応答速度に与える影響について問うものです。
回転運動に関する運動方程式が基本となります。
この式から、角加速度
と表せます。
問題文では、「駆動トルクの値と負荷トルクの値の差は同じ」と仮定されています。これは、
この条件の下で、上記の運動方程式を考えると、角加速度
慣性モーメントが大きいと、同じ加速トルク(
したがって、風量変化の応答速度は遅くなります。
慣性モーメントが小さいと、同じ加速トルクが作用したときに角加速度
したがって、風量変化の応答速度は速くなります。
慣性モーメントが大きい送風機は、小さい送風機と比較すると、風量変化の応答速度は【10】遅い となります。
この設問は、電動機の部分負荷特性と、複数の電動機を運用する際の省エネルギー対策に関するものです。
正解は [ア] 稼働台数の調整 です。
電動機は一般に、定格負荷に近い領域で最も効率が高く、負荷が低くなるほど効率が低下するという特性を持っています。これは、電動機を駆動するために必要な無負荷損(鉄損、機械損など)が負荷の大小にかかわらずある程度発生するためです。
「複数の電動機を使用するとき」に、全体の効率を高めるためには、それぞれの電動機が効率の良い運転点(比較的高い負荷率)で運転されるように調整することが重要です。
もし必要な負荷が小さい場合、全ての電動機を部分負荷(例えば20%や30%の負荷率)で運転すると、個々の電動機の効率は大幅に低下し、結果として電動機全体の総合効率も低くなります。これに対し、一部の電動機を停止させ、残りの電動機をより高い負荷率で運転させることで、停止した電動機の無負荷損がなくなり、運転中の電動機は効率の良い領域で運転されるため、電動機全体の総合効率を向上させることができます。
このため、『基準部分(工場)』で求められている「【11】及び負荷の適正配分」とは、負荷に応じて運転する電動機の台数を適切に調整し、各電動機が効率の良い負荷率で運転されるように負荷を配分することを意味します。
入力電圧の調整は、電動機の特性(回転速度、トルク、電流など)に影響を与えますが、必ずしも効率向上に直結するものではありません。電動機は特定の定格電圧で最高の効率が得られるように設計されています。定格電圧から大きく外れる電圧で運転すると、通常は効率が低下したり、過大な電流が流れたり、巻線温度が上昇したりするリスクがあります。特に低負荷時において、電圧を下げることで効率が改善されるケースもありますが、一般的に「稼働台数の調整」ほど汎用的な効率向上策ではありません。
力率の調整(力率改善)は、主に配電系統全体の省エネルギーと品質維持に寄与します。力率が低いと、同じ有効電力を供給するために必要な皮相電力が大きくなり、電流が増加します。これにより、配電線や変圧器での電力損失(ジュール熱損失)が増加し、電圧降下も大きくなります。進相コンデンサを設置して力率を改善することで、これらの損失を低減し、設備の有効利用率を高めることができます。
しかし、力率改善は、個々の電動機自身の「電気入力から機械出力への変換効率」を直接的に向上させるものではありません。力率は、あくまで電気設備全体から見た電源への負担や送電効率に関わる指標です。設問の趣旨は「電動機全体の効率」を高めることであり、これは電動機自体の変換効率に関わる部分負荷特性と稼働台数の関係に焦点を当てています。そのため、力率の調整は目的が異なります。
この小問は、ポンプやファンなどの電動力応用設備における電動機の選定基準について問うものです。電動機の効率特性と省エネルギーの観点から最適な選択肢を選びます。
【問題のポイント】
解答欄 【12】
正解は [イ] 所要出力に見合った です。
電動機は、一般的に定格出力に対して負荷率が低い(すなわち部分負荷)ほど効率が低下する特性を持っています。問題文にもあるように、固定損は常時発生する損失であり、部分負荷時には相対的にその割合が大きくなり、効率低下の主な原因となります。したがって、電動機を新設・更新する際には、実際に必要な出力(所要出力)に対して、過度に大きな容量の電動機を選定することを避けるべきです。
「所要出力に見合った」容量の電動機を配置することで、電動機が効率の良い負荷域(通常は定格出力に近い範囲)で運転される機会が増え、結果として総合的なエネルギー効率の向上が期待できます。これは、省エネルギーを推進する上で非常に重要な考え方であり、『基準部分(工場)』が求める「電動機全体の効率が高くなるように」という方針にも合致します。
電気化学の分野における電気分解システムでは、電極上で物質が析出(または溶解)する現象が利用されます。この原理を記述するのが「ファラデーの電気分解の法則」です。
ファラデーの電気分解の法則は、主に以下の二つの法則からなります。
これらの法則を総合すると、電極に析出する物質の質量
ここで、
この式から、析出する物質の質量
上記のファラデーの電気分解の法則の第一法則により、電極上に析出する物質の質量は、電気分解システムを通過する電気量に直接比例することが示されています。
したがって、解答欄【13】には[イ] 通過する電気量が入ります。
照明設備を設計する際、光源から放射された光束が、実際に照明の対象となる被照面(作業面など)にどの程度の割合で到達するかを示す重要な指標があります。これが解答欄【14】で問われている内容です。
解答欄【14】の正解は、[イ] 照明率 です。
照明率 = (被照面に到達する光束) / (ランプから発せられる全光束)
この式が示す通り、照明率が高いほど、光源の光を無駄なく被照面に届けることができるため、必要な明るさ(照度)を得るために必要な照明器具の台数を減らすことができ、省エネルギーに繋がります。
以上の理由から、設問の要件に最も合致するのは「照明率」であり、これが正解となります。