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今回の設問は、提示された小問リストの構造から、熱力学や電気回路の計算問題ではなく、「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(通称:省エネ法)に関する知識問題であると判断できます。
したがって、P-v線図やT-s線図、エンタルピー変化、ベルヌーイの定理といった熱力学・電気の公式や計算過程の解説は今回の設問には直接適用されません。しかし、講師として、この法律問題の背景と正解に至る考え方を丁寧に解説いたします。
【前提条件・大問冒頭】
1 の導入文を参照してください。
--- 小問 1 ---
次の各文章は、「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(以下、『法』と略記)及び『法』に関連した命令について述べたものである。ここで、これらの法令は令和4年以降に改正され、令和5年4月1日時点で施行されているものである。
なお、各文章において、「『法』施行令(政令)」を『令』、「『法』施行規則(経済産業省令)」を『則』と略記する。
【1】~【11】の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。(配点計50点)
(1) 『法』の目的に関する事項
改正された『法』では、非化石エネルギーが『法』の対象となるエネルギーに加えられている。また、電気に関する規定も改正されている。
第1条は『法』の目的について次のように規定している。
「この法律は、我が国で使用されるエネルギーの相当部分を化石燃料が占めていること、非化石エネルギーの利用の必要性が増大していることその他の内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じたエネルギーの有効な利用の確保に資するため、工場等、輸送、建築物及び機械器具等についてのエネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換に関する所要の措置、電気の【1】に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等を総合的に進めるために必要な措置等を講ずることとし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」
(この設問の選択式正解: 需要の最適化)
今回の設問は、「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(省エネ法)の第1条(目的)に関する知識が求められています。特に、令和4年改正(令和5年4月1日施行)によって追加・強化された内容を理解しているかが問われています。
「公式」と表現するならば、この省エネ法第1条の条文そのもの、そして改正法の趣旨・目的を理解することが重要となります。
設問文を改めて見てみましょう。
「この法律は、…(中略)…工場等、輸送、建築物及び機械器具等についてのエネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換に関する所要の措置、電気の【1】に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等を総合的に進めるために必要な措置等を講ずることとし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」
この条文の穴埋め箇所【1】に入る最も適切な字句を考えます。
法律の改正の背景を理解する:
設問文の冒頭に「改正された『法』では、非化石エネルギーが『法』の対象となるエネルギーに加えられている。また、電気に関する規定も改正されている。」とあります。これまでの省エネ法は「エネルギーの使用の合理化」が主な目的でしたが、脱炭素化社会の実現に向けて、「非化石エネルギーへの転換」が法律の名称にまで明記され、その重要性が増しました。
電気に関する改正内容に注目する:
特に、「電気に関する規定も改正されている」という点がヒントになります。近年、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力系統の安定化や効率的な運用が課題となっています。この課題に対応するため、需要サイド(電気を使う側)が積極的に電力需給の調整に参加することが求められるようになりました。
「電気の〇〇」として考えられる施策:
このような背景から、省エネ法において、電気に関しては単なる消費量の削減だけでなく、時間帯による電力需要の変動を抑制し、需給バランスを最適化する概念が重要視されています。これがいわゆる「デマンドレスポンス」などに代表される取り組みであり、法律の目的としては「需要の最適化」という言葉で包括的に表現されます。
正解の特定:
以上の流れから、「電気の【1】に関する所要の措置」の【1】には、単なる「節電」や「効率化」といった言葉ではカバーしきれない、電力需給全体を見据えた「需要の最適化」という言葉が最も適切であることが導き出されます。
したがって、解答欄【1】の正解値は「需要の最適化」となります。
【重要ポイント】
省エネ法第1条の目的は、エネルギーの「使用の合理化」に加え、「非化石エネルギーへの転換」と「電気の需要の最適化」という3つの柱で構成されていると理解しておくと良いでしょう。特に、電気の「需要の最適化」は、電力システム改革や再生可能エネルギー導入拡大といった近年のエネルギー政策の方向性を色濃く反映したものです。
このように、エネルギー管理士の試験では、法律や制度に関する知識も非常に重要となります。単に条文を暗記するだけでなく、その改正の背景や目的を理解することが、応用力につながります。
エネルギー管理士の国家試験対策講師として、今回の「エネルギーの定義に関する事項」について詳しく解説いたします。
この問題は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(通称「省エネ法」)の第2条に定められている各種エネルギーの定義に関する知識を問うものです。法律の条文を正確に理解することが、「公式」を適用するのと同じくらい重要になります。
本問では、提示された3つの記述のうち、省エネ法に記述されている定義として正しいものを全て挙げることが求められています。一つずつ条文に照らして確認していきましょう。
省エネ法第2条第1項では、「エネルギー」とは「燃料並びに熱及び電気をいう」と定義されています。
省エネ法第2条第4項では、「非化石エネルギー」とは「非化石燃料並びに非化石熱及び非化石電気をいう」と明確に定義されています。
省エネ法第2条第3項では「非化石燃料」が定義され、その後に「非化石熱」及び「非化石電気」についても定義が続きます。
上記の検討により、記述②と記述③が省エネ法に記述されている定義として正しいことが分かりました。 したがって、正解はこれらの両方を含む選択肢となります。
[カ] ②と③
です。この設問は、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(通称:省エネ法)において、一定のエネルギー使用量に達した事業者がどのように指定されるか、または認定されるかについての知識を問うものです。
正解は [エ] 特定連鎖化事業者 です。
省エネ法では、エネルギーの効率的な利用を促進するため、大量のエネルギーを使用する事業者にエネルギー管理の義務を課しています。この制度において、事業者はその業態やエネルギー使用量に応じて様々な区分に指定されます。設問では、「工場等を設置している事業者が、一定のエネルギーの使用条件に達している場合に、いずれかが適用される」とあります。
この流れの中で、②に該当するのは、特定事業者と並んで工場等を含む事業活動において広く適用される主要な指定区分であるべきです。ここで選択肢を見ます。
したがって、この文脈において【3】に当てはまるのは「特定連鎖化事業者」が適切です。
以上の理由から、正解は[エ] 特定連鎖化事業者となります。
今回の問題は、省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)における認定制度の一つに関する知識を問うものです。特に、複数事業者が共同で取り組む省エネルギー活動を促進するための制度について理解しているかがポイントとなります。
本問は、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)第50条に定められている「連携省エネルギー計画」の認定制度に関する内容です。
正解は[エ] 連携省エネルギーです。
皆様、こんにちは。エネルギー管理士試験対策専門講師です。
今回の設問は、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)における、工場等の指定区分とエネルギー管理者等の選任に関する知識を問うものです。個別の工場等のエネルギー使用量に基づき、適切な判断を行う能力が求められます。特に「本社」のように「専ら事務所として使用される工場等」という条件が付く場合に、選任基準に特例がある点に注意が必要です。それでは、具体的な判断基準を明示し、一つずつ丁寧に解説していきましょう。
本問を解くにあたり、適用すべき主な基準は以下の通りです。これらは省エネ法第7条~第14条及び関連する省令等に規定されています。
エネルギー管理指定工場等の指定基準(省エネ法 第8条)
第一種エネルギー管理指定工場等:
前年度のエネルギー使用量(原油換算)が 3,000 キロリットル以上 の工場等。
第二種エネルギー管理指定工場等:
前年度のエネルギー使用量(原油換算)が 1,500 キロリットル以上 3,000 キロリットル未満 の工場等。
エネルギー管理者又はエネルギー管理員の選任基準(省エネ法 第11条、施行規則 第6条の2)
第一種エネルギー管理指定工場等:
前年度のエネルギー使用量(原油換算)が 3,000 キロリットル以上 6,000 キロリットル未満 の場合:
エネルギー管理者 1名 を選任。
前年度のエネルギー使用量(原油換算)が 6,000 キロリットル以上 の場合:
エネルギー管理者 2名 を選任。
第二種エネルギー管理指定工場等:
エネルギー管理員 1名 を選任。
特例(施行規則 第6条の2 第2項 第7号):
「専ら事務所として使用されている工場等であって、前年度におけるエネルギー使用量(原油換算量)が 1,500 キロリットル以上であるもの」については、第一種エネルギー管理指定工場等に該当する場合であっても、エネルギー管理員 1名 を選任できる。
それでは、上記の基準に基づき、各工場等の状況を見ていきましょう。
工場等の名称: 化学工場
前年度のエネルギー使用量: 35,000 キロリットル
判断:
化学工場のエネルギー使用量は 35,000 キロリットル です。
これは、第一種エネルギー管理指定工場等の指定基準である 「3,000 キロリットル以上」 を満たしています。
したがって、化学工場は 第一種エネルギー管理指定工場等 に指定されます。
解答欄【6】の正解:[ア] 第一種エネルギー管理指定工場等
表には既に「第一種エネルギー管理指定工場等」と記載されており、この判断は適切です。
[イ] 第二種エネルギー管理指定工場等: エネルギー使用量が1,500 キロリットル以上 3,000 キロリットル未満の場合に該当します。35,000 キロリットルはこれに該当しません。
[ウ] 第一種と第二種エネルギー管理指定工場等のいずれにも該当しない: エネルギー使用量が1,500 キロリットル未満の場合に該当します。35,000 キロリットルはこれに該当しません。
工場等の名称: 本社(専ら事務所として使用)
前年度のエネルギー使用量: 3,500 キロリットル
判断:
本社のエネルギー使用量は 3,500 キロリットル です。
これは、第一種エネルギー管理指定工場等の指定基準である 「3,000 キロリットル以上」 を満たしています。
したがって、本社は 第一種エネルギー管理指定工場等 に指定されます。
解答欄【5】の正解:[ア] 第一種エネルギー管理指定工場等
[イ] 第二種エネルギー管理指定工場等: エネルギー使用量が1,500 キロリットル以上 3,000 キロリットル未満の場合に該当します。3,500 キロリットルはこれに該当しません。
[ウ] 第一種と第二種エネルギー管理指定工場等のいずれにも該当しない: エネルギー使用量が1,500 キロリットル未満の場合に該当します。3,500 キロリットルはこれに該当しません。
工場等の名称: 本社(専ら事務所として使用)
前年度のエネルギー使用量: 3,500 キロリットル
判断:
本社は先ほど判断した通り、第一種エネルギー管理指定工場等 です。
通常であれば、第一種エネルギー管理指定工場等でエネルギー使用量 3,500 キロリットル(3,000 キロリットル以上 6,000 キロリットル未満)の場合、エネルギー管理者1名 の選任義務があります。
しかし、問題文には「本社」が 「専ら事務所として使用されている」 と明記されています。この点が重要です。
省エネ法施行規則第6条の2 第2項 第7号の特例により、「専ら事務所として使用されている工場等であって、前年度におけるエネルギー使用量(原油換算量)が 1,500 キロリットル以上であるもの」については、エネルギー管理士の代わりに エネルギー管理員 を選任することができます。
本社のエネルギー使用量 3,500 キロリットル は 1,500 キロリットル以上であるため、この特例が適用されます。
したがって、本社が選任すべき者は エネルギー管理員 です。
解答欄【7】の正解:[キ] エネルギー管理員
[エ] エネルギー管理者1名: 通常の第一種エネルギー管理指定工場等であればこの選択肢が正解ですが、本社の場合は「専ら事務所」の特例が適用されるため不適切です。
[オ] エネルギー管理者2名: エネルギー使用量が6,000 キロリットル以上の場合に選任されます。3,500 キロリットルはこれに該当しません。
[カ] エネルギー管理者3名: このような選任基準はありません。
[ク] エネルギー管理者とエネルギー管理員のいずれも選任は不要: エネルギー管理指定工場等に指定されていない場合に該当します。本社は第一種エネルギー管理指定工場等に指定されているため不適切です。
今回の問題は、省エネ法の基本知識に加え、特例規定まで理解しているかを問う良問でした。特に選任基準の特例は忘れがちですので、P-v線図の等温線のように、状況による変化をしっかりイメージできるよう復習しておきましょう。
この小問は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(通称:省エネ法)における「エネルギー消費性能」の定義に関する知識を問うものです。省エネ法では、特定エネルギー消費機器等の性能向上を図るため、その性能を評価する基準が定められています。ここでは、その評価の基礎となるものが何であるかを明確に理解しているかが重要となります。
まず、この設問に適用すべき根拠となるのは、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)の第148条です。この条文には「エネルギー消費性能」の定義が明確に規定されています。
この条文に直接合致する選択肢が、正解となります。
『法』第148条の定義そのものであり、エネルギー消費性能は、機器が消費するエネルギーの量を基準として評価されます。これは、省エネルギーを推進する上で最も直接的で、かつ客観的な指標となるからです。機器の効率や運用によるエネルギー使用状況を測る上で、消費されるエネルギーの量が基盤となるのは当然と言えます。
機器製造を含む全費用は、初期投資やライフサイクルコストの一部ではありますが、「エネルギー消費性能」そのものを評価する基礎ではありません。性能評価の目的は、経済性よりも省エネルギー効果の測定にあります。
投入される電力の量は、電気をエネルギー源とする機器にとっては重要な指標ですが、すべてのエネルギー消費機器に当てはまるわけではありません。例えば、ガスを燃料とする機器や、熱エネルギーを直接利用する機器の場合、電力以外のエネルギー源も存在します。省エネ法における「エネルギー消費性能」は、より広範なエネルギー形態を包括的に捉えるため、「エネルギー」という言葉を用いています。
発生する熱の量は、暖房機器や給湯器などの特定の熱利用機器においては重要な指標ですが、冷房機器や電動機、照明器具など、熱発生が主目的ではない機器の場合には、性能評価の基礎とはなりません。こちらも、「エネルギー」というより広範な概念をカバーしていません。
したがって、【10】の解答は「消費されるエネルギーの量」となります。
この設問は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」に基づき、特定エネルギー消費機器等および特定熱損失防止建築材料として政令(施行令)で規定されている具体的な機器や材料に関する知識を問うものです。
本問の解答には、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律施行令(省エネ法施行令)」の以下の別表を参照します。
上記の施行令別表に照らし合わせ、各選択肢が「特定エネルギー消費機器等」または「特定熱損失防止建築材料」に該当するかどうかを確認します。
省エネ法施行令別表第一(特定エネルギー消費機器等)の「一 エネルギー消費機器」の項目には、「ラ 交流電動機」と明記されています。したがって、交流電動機は特定エネルギー消費機器等に該当します。
省エネ法施行令別表第一および別表第三のいずれにも、エスカレータの記載はありません。したがって、エスカレータは特定エネルギー消費機器等または特定熱損失防止建築材料には該当しません。
省エネ法施行令別表第三(特定熱損失防止建築材料)の項目には、「二 サッシ」と明記されています。したがって、サッシは特定熱損失防止建築材料に該当します。
省エネ法施行令別表第一および別表第三のいずれにも、木製パネルの記載はありません。別表第三では、特定熱損失防止建築材料として「断熱材」「サッシ」「ガラス」「遮熱板」が挙げられていますが、木製パネル自体はこれらのいずれにも含まれません。したがって、木製パネルは特定エネルギー消費機器等または特定熱損失防止建築材料には該当しません。
上記の検討により、特定エネルギー消費機器等または特定熱損失防止建築材料に該当するのは、① 交流電動機 と ③ サッシ です。したがって、この二つを挙げている選択肢が正解となります。
解答欄【11】は以下の通りです。
したがって、正解は[イ]となります。