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解説 - 問題 3

令和05年

(6) 湿り蒸気では、飽和液と乾き飽和蒸気が共存している。この蒸気の乾き度とは【5】であり、乾き度が高い蒸気ほど単位質量当たりの凝縮潜熱が大きい。

解説

(6) 湿り蒸気の乾き度

今回の設問は、湿り蒸気に関する基本的な定義と性質について問われています。 まず、湿り蒸気とは、飽和液(液体)と乾き飽和蒸気(気体)が共存している状態の蒸気を指します。この状態の蒸気は、温度と圧力が飽和状態にあります。

【5】乾き度の定義

乾き度(x、または乾き飽和度)とは、湿り蒸気中に含まれる乾き飽和蒸気の質量分率のことです。 これは、湿り蒸気全体の質量に対する、その中の乾き飽和蒸気の質量の割合を示す指標です。 適用すべき公式は以下の通りです。

乾き度 x = (乾き飽和蒸気の質量) / (湿り蒸気の総質量)

具体的には、飽和液の質量を mf [kg]、乾き飽和蒸気の質量を mg [kg] とすると、湿り蒸気の総質量は (mf + mg) となるため、乾き度 x は次のように表せます。

x = mg / (mf + mg)

乾き度は0から1までの値を取ります。

  • x = 0 のとき:湿り蒸気は全て飽和液の状態です。
  • x = 1 のとき:湿り蒸気は全て乾き飽和蒸気の状態です。
  • 0 < x < 1 のとき:飽和液と乾き飽和蒸気が共存する湿り蒸気の状態です。
選択肢の検討
  • [ア] 湿り蒸気中の乾き飽和蒸気の質量分率
    この選択肢は、上記の乾き度の定義と完全に一致しています。乾き度は質量に基づいて定義されるため、この表現が適切です。したがって、[ア]が正解となります。
  • [イ] 湿り蒸気中の乾き飽和蒸気の体積分率
    体積分率は、圧力や温度によって液相と気相で密度が大きく異なるため、湿り蒸気の状態を示す指標としては一般的に用いられません。特に蒸気の状態変化を扱う熱力学では、質量に基づいた指標が基本となります。したがって、この選択肢は不適切です。
  • [ウ] 飽和液と乾き飽和蒸気の質量の比
    単に「質量の比」というだけでは、mf / mg なのか、mg / mf なのかが不明確です。また、乾き度の定義は「湿り蒸気の総質量に対する乾き飽和蒸気の質量」という全体に対する割合であるため、この表現は不適切です。
「乾き度が高い蒸気ほど単位質量当たりの凝縮潜熱が大きい」という記述について

問題文のこの記述は、熱力学の用語の厳密な定義に照らすと注意が必要な表現です。

一般的に「凝縮潜熱」とは、乾き飽和蒸気(乾き度 x=1)が、同一圧力(または温度)の飽和液(乾き度 x=0)に変化する際に放出する熱量(エンタルピー変化)を指します。この値は記号 hfg で表され、蒸気の圧力(または温度)によって決まりますが、乾き度には依存しません。つまり、hfg は一定の条件であれば乾き度が変化してもその値は変わりません。

しかし、もしこの記述が「単位質量(1kg)の湿り蒸気が、全て飽和液になる際に放出する潜熱」を指していると解釈する場合、その熱量は「x × hfg」となります。この場合、乾き度 x が高ければ高いほど、湿り蒸気1kg中に含まれる蒸気の量が多いので、液化する際に放出する熱量(x × hfg)は大きくなります。この解釈であれば、問題文の記述は成立します。

エネルギー管理士試験では、このような紛らわしい表現が出題されることがあります。熱力学の標準的な定義では、凝縮潜熱 (hfg) は乾き度には依存しないと理解しておくことが重要です。一方で、文脈によっては「湿り蒸気全体の持つ潜熱成分」という意味合いで用いられることもありますので、問題文の意図を正確に読み解く訓練も必要です。

湿り蒸気のエンタルピー hx は、飽和液のエンタルピー hf と蒸発潜熱 hfg を用いて次のように表されます。

hx = hf + x × hfg

この式からもわかるように、乾き度 x が大きいほど、湿り蒸気1kgが保有するエンタルピーは大きくなります。

※この解説はAIによって自動生成されています。正確な情報が必要な場合は、公式のテキストや問題集を併せてご確認ください。