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解説 - 問題 2

令和05年

(4) エネルギー源としての水素の利用は脱炭素社会への有効手段として開発が進められている。ここでは、常温・常圧では気体状態である水素の輸送・貯蔵の手段について考える。
現在、水素の輸送手段としてよく用いられているのは、加圧して圧縮する方法である。例えば、常温・常圧の水素を温度一定で体積を700分の1にするためには、約【7】[MPa]に加圧する必要がある。
また、水素を大量に輸送・貯蔵する手段の一つとして、冷却による液化が用いられる。気体の液化については、天然ガスの大気圧下での液化温度は約-160℃であるが、水素の場合は約【8】[℃]で液化し、体積は約800分の1となる。
その他に、水素を他の物質と化学反応させることにより、常温の液体状態にして輸送・貯蔵し、利用時に気体の水素に戻す方法も考えられている。水素と化学反応させる物質の候補の一つとされているのがトルエンであり、これに気体の水素を反応させて液体の【9】に変換して輸送・貯蔵するシステムの開発が進んでいる。

解説

(4) エネルギー源としての水素の利用に関する解説

この設問は、水素の輸送・貯蔵方法に関する知識と、気体の挙動に関する熱力学の基本法則を問うものです。水素エネルギーは脱炭素社会の実現に向けた重要な鍵であり、その利用技術に関する理解はエネルギー管理士にとって必須です。

解答欄 【7】の解説

「常温・常圧の水素を温度一定で体積を700分の1にするためには、約【7】[MPa]に加圧する必要がある。」

適用すべき公式

この問題は、気体の温度が一定に保たれている条件下での圧力と体積の関係を問うものです。このような状況に適用されるのは、理想気体の状態方程式の特殊なケースである「ボイルの法則」です。

ボイルの法則は、一定量の理想気体において、温度が一定であれば、圧力(P)と体積(V)の積は常に一定であると述べます。

  • 数式で表すと:P₁V₁ = P₂V₂
  • ここで、P₁は初期圧力、V₁は初期体積、P₂は最終圧力、V₂は最終体積です。

計算過程

まず、問題文で与えられている条件を整理します。

  • 初期圧力 (P₁):「常圧」とありますので、標準大気圧を使用します。一般的に1気圧は101.325 kPaであり、これをメガパスカル(MPa)に変換すると0.101325 MPaとなります。
  • 初期体積 (V₁):具体的な数値は与えられていませんが、計算には比率を使用しますので、V₁とそのまま置きます。
  • 最終体積 (V₂):「体積を700分の1にする」とありますので、V₂ = V₁ / 700です。
  • 最終圧力 (P₂):これが求めるべき値です。

ボイルの法則 P₁V₁ = P₂V₂ にこれらの値を代入します。

  1. 0.101325 [MPa] × V₁ = P₂ × (V₁ / 700)
  2. 両辺をV₁で割ると:0.101325 [MPa] = P₂ / 700
  3. P₂について解くと:P₂ = 0.101325 [MPa] × 700
  4. 計算を実行すると:P₂ = 70.9275 [MPa]

解答の確認

計算結果は約70.9 [MPa]となります。設問では「約【7】[MPa]」とありますので、最も近い選択肢を選びます。

  • 選択肢群: [ア] -250, [イ] -150, [ウ] -50, [エ] 0.7, [オ] 7, [カ] 70, [キ] 700, [ク] アンモニア, [ケ] メチルアルコール, [コ] メチルシクロヘキサン
  • 正解は [カ] 70 です。

他の選択肢について:

  • [ア]〜[ウ]は温度の選択肢であり、単位も異なります。
  • [エ] 0.7, [オ] 7, [キ] 700 は、計算結果と数値が合いません。
  • [ク]〜[コ]は物質名の選択肢であり、圧力の単位とは異なります。
解答欄 【8】の解説

「気体の液化については、天然ガスの大気圧下での液化温度は約-160℃であるが、水素の場合は約【8】[℃]で液化し、体積は約800分の1となる。」

適用すべき知識

この問題は、水素という物質の基本的な物理的特性、特にその沸点(液化温度)に関する知識を問うものです。

解説

気体を液化させるためには、その気体の沸点以下まで冷却する必要があります。問題文には天然ガス(主にメタン)の液化温度が約-160℃とありますが、水素はメタンよりも分子量が小さく、分子間力が非常に弱いため、さらに低い温度でなければ液化しません。

水素の沸点、つまり大気圧下での液化温度は、約-252.87 ℃(または20.28 K)です。

解答の確認

提示された選択肢の中で、水素の液化温度に最も近い値を選びます。

  • 選択肢群: [ア] -250, [イ] -150, [ウ] -50, [エ] 0.7, [オ] 7, [カ] 70, [キ] 700, [ク] アンモニア, [ケ] メチルアルコール, [コ] メチルシクロヘキサン
  • 正解は [ア] -250 です。

他の選択肢について:

  • [イ] -150℃は天然ガスの液化温度に近いですが、水素ではありません。
  • [ウ] -50℃は水素の液化温度としては高すぎます。
  • [エ]〜[キ]は圧力の数値(または他の無関係な数値)であり、単位も異なります。
  • [ク]〜[コ]は物質名の選択肢であり、温度の単位とは異なります。
解答欄 【9】の解説

「水素と化学反応させる物質の候補の一つとされているのがトルエンであり、これに気体の水素を反応させて液体の【9】に変換して輸送・貯蔵するシステムの開発が進んでいる。」

適用すべき知識

この問題は、水素の輸送・貯蔵技術の一つである「水素キャリア」に関する知識、特に「有機ハイドライド法」と呼ばれる化学的貯蔵法について問うものです。

解説

水素は常温・常圧では気体であり、貯蔵や輸送に大きな課題があります。高圧ガスとして圧縮したり、液体水素として極低温で貯蔵したりする方法の他に、水素を他の物質と化学的に結合させて、常温・常圧で安定した液体として貯蔵・輸送する技術が研究されています。

この方法の一つが「有機ハイドライド法」であり、トルエン(C₆H₅CH₃)と水素(H₂)を反応させて、メチルシクロヘキサン(C₆H₁₁CH₃)という液体を生成するシステムが実用化に向けて開発されています。

  • 水素化反応:トルエン + 3H₂ → メチルシクロヘキサン(吸熱反応、水素貯蔵時)
  • 脱水素反応:メチルシクロヘキサン → トルエン + 3H₂(発熱反応、水素取り出し時)

メチルシクロヘキサンは常温で液体であり、ガソリンなどの既存の燃料インフラを利用して安全に輸送・貯蔵できるという利点があります。

解答の確認

トルエンに水素を反応させて生成される物質はメチルシクロヘキサンです。

  • 選択肢群: [ア] -250, [イ] -150, [ウ] -50, [エ] 0.7, [オ] 7, [カ] 70, [キ] 700, [ク] アンモニア, [ケ] メチルアルコール, [コ] メチルシクロヘキサン
  • 正解は [コ] メチルシクロヘキサン です。

他の選択肢について:

  • [ア]〜[キ]は数値(温度や圧力)の選択肢であり、物質名ではありません。
  • [ク] アンモニアや [ケ] メチルアルコールも水素キャリアとして研究されていますが、これらはトルエンに水素を反応させて生成されるものではありません。アンモニアは窒素と水素から合成され、メチルアルコール(メタノール)はCO₂と水素から合成されることが多いです。

※この解説はAIによって自動生成されています。正確な情報が必要な場合は、公式のテキストや問題集を併せてご確認ください。